解除の代償
「《最後の審判》」
聖剣セレナイトが浮き上がり巨大な天秤へと変化した。聖裁の勇者の倍以上の大きさだが、能力は似ているようでタケルが天秤の上に乗せられた。
『タケル・ノノヤマ。世界を救う存在である勇者を殺すことは重罪だ。汝の命を以って償え』
天使の軍団が彼に襲いかかり当たりを樹氷と火柱で埋め尽くした。
「やめてくれぇぇ!痛い、痛いよぉ。ごめんなさい」
苦しそうだが後は任せておいても大丈夫だろう。それにしても《最後の審判》は恐ろしいスキルだな。
なかなか罰が終わりそうもないので実はコルンの元へ向かった。
「大丈夫ですか?」
「はい。えっと、まだあなたの呪い解けてないんです」
そういうと最後の工程を始めた。
〜呪いが解除されました〜
「解けたみたいです。ありがとうございます」
「い、いえ。こちらこそ」
呪いから解放されたといっても実感が湧かないな。
行動の制限などがあったらしいが解けたからといって何かが変わったような感覚は微塵もない。
「うわぁぁ!痛い、痛い痛い!」
踠き苦しむタケルの姿を見てしまった。
「うっ」
「あれ?助かった.....のか?」
《最後の審判》が解除されタケルが罰から解放される。彼は逃げようとしたが体に力が入らず気を失った。
「大丈夫ですか!?」
蘇生した勇者が声をかけるも実はどこか辛そうな様子で動きがない。
なんでだ?なんで今まで平然と"生命"を奪えた?モンスターだって生き物だ。地球にいた頃だったら絶対に殺さなかっただろうに。魔人達だってそうだ、人族の敵とはいえ人間だ
俺は人を何人も殺しておいて何も感じていなかった。彼らにも家族がいたはずだ。なんでこんなことをしてしまったんだ?
「大丈夫か!」
「は、はい。......いえ、大丈夫じゃないです」
これが呪いの効果だったのか。殺しを厭わない人間にさせられていた。
その後勇者の契約を済ませ、実は【未完成】の勇者となった。
そして実はアーニチュラリーに戻され、城で心の治療を受けた。タケルはというと同国の最上級の監獄に収監。手足や視界、口などを塞がれ、さまざまな魔法による催眠や拘束という厳重警戒体制に置かれた。
1週間後、心の整理がつき始め仲間達と再開した。
「大丈夫だったの?」
泣きながらグランが抱きついてくる。他のみんなも心配そうにみていた。デュアルだけは例外で普段の能天気なままだった。
「あのね、傑兄ちゃんが悪魔界に連れていかれちゃったの」
また傑の存在を忘れていた。これで2度目だ。なんでいつもいないことに気づかないのだろうか。
「どういうこと?」
「よくわかんないんだけど、戻ってこれないかもしれないって。もう会えなくなっちゃうのかな?」
「きっとあいつなら大丈夫だよ、泣かないで」
暫く滞在すると国王に伝えると最高級の宿を取ってくれた。
その日の夜、部屋にデュアルが入ってきた。
「ミノル君。もしかしたら傑君を取り戻す方法があるかもしれないよ」
その時の彼にはいつもの喋り方や雰囲気はなかった。
「えっ?どういうこと!?」
「実はたくさん人格があるんだ」
「それは......どういうこと?
「君は鑑定使えたよね?やってみて」
デュアル 人族
性別 n/% レベル 562
年齢 4歳 各種能力値 n/%
職業 暗殺者 n/%
スキル
《多重人格》《影の王》《死神》
《自動地図作成》《霧の王》《雷の王》《精神の王》《光速》......読み込み失敗
魔法 影魔法 霧魔法 雷魔法 精神魔法
状態 スキルによる形質変化




