消失した層
「そういえばさ、2層目なのに強すぎなかった?」
「何言ってるの?さっきのは52層だよ?どこにも2層なんて書いてなかったし」
「「ん?」」
「ほーしゅうの時にも書いてあったよ」
グラン曰く、報酬ウィンドウに52層との表示を確認したらしい。では迷宮の2〜51層はどこに消えてしまったのだろうか。
「てことは今は53層ですかね」
「うん、気をつけよう」
53層ということだけあって普通にいるモンスターもだいたい80レベくらいで強力だ。
しかし、構造的には1層と同じ迷路なのでさほどは苦労しないだろうと思っていたのだが問題が発生した。
「まだ全然地図埋まってないな」
そう、広すぎるのだ。1時間ほど歩いて1割程度しか埋まっていない。さらには途中途中階段があるので現在53層なのかも怪しい。
「この壁壊せないかな?」
「は、はは......ミノルさん、やめてくださいよ」
「みんなを瓦礫から守りながらならいいかなって思ったんだけど」
なぜか、毎回迷宮を壊そうとするミノルにラヴァは少し引いていた。
だが、ユリウスは「ま、いいんじゃね?」などというので実がやる気になってしまった。
「ちゃんと、守って、くださいです」
「うん、その辺は大丈夫だよレン」
「やるんだな」
「うん、《エネルギー操作》-[エネルギー障壁]、《融合》-[合技:五竜の頭突き]」
2層改め52層で大活躍の技の鎌の別バージョンの巨大なエネルギーの奔流が迷宮の壁、天井にぶつかり、凹ませ、砕いっていった。
「おっ!空いたよ!治る前に早く行こ」
「お、おう」
何層か飛ばしてどんどん上へ上がっていく。
〜スキルを獲得しました〜
《迷宮破壊者》
迷宮の壁や天井、罠などを破壊できる
《迷宮作成》に統合され《迷宮下級管理者》を獲得しました。
迷宮を作るだけでなく、破壊、罠の設置、ギミックの作成などが可能になります。 〜
「一気にクリアできるようになったよ」
「お、おう。でもちゃんとクリアしような」
「わかってるって。でも、攻略は完璧!裏ルートや宝箱とかの位置もわかるよ!」
実のチートにより順調に探索が進み始めた。チーターによると現在は53層ではなく63層まで上がってきているらしい。やはり途中に出てくる階段は次層への高みだったようだ。
「あっちょっと待って。ここの壁の穴に剣を刺すと近道だよ」とか「ここの壁は通り抜けれるよ」
「この手順で歩くと......ほら宝箱だよ」などと実がちょくちょく攻略方法を伝えてくるので、今や全員がスキルや装備を取り戻し、さらにレアな装備品やスキルを獲得するに至った。
「よしっ。100層クリア!」
現在100層時点では1層で手に入れた職業が進化していた。
剣士では実が剣聖、ユリウスが破撃剣士、ラヴァが連疾剣士となり、スキルも《剣術》から《剣聖》《破撃剣》《連疾剣》と変化していた。
魔法使いの傑、アヴィ、ライトはそれぞれ呪術師《禁呪》、水の大魔導士《水魔法網羅》、伝説級大魔導士《秘伝魔法》となり、レンは無限弓師《無限弓》、グランが鋼鉄拳士《鋼鉄拳》と全員が強くなっている。
そんな中で隠し職業のデュアルの双剣師はというと、何故か伝説の暗殺者《死神》と、ゴットスキルまで獲得していた。
「えーとここをこうして......」
「おい、実〜?何してんだ?なんかやな予感がするぞ」
「できた!」
「うぐぅ......頭いった!実お前何をしやがったた!」




