チーター
「おい、それは言うなよ......」
傑の危惧したとおり騎士は死んでいなかった。
「......っ!《歴代王ノ呪術書》-魔力具現化-魔法障壁展開!」
咄嗟に魔法を展開しギリギリのところで攻撃を防ぐことに成功した。だが、騎士の連撃は止まらない。そこで、《強欲の罪》を使い騎士からスキルを手に入れた。
〜 堕魔剣術から剣術Ⅹを獲得しました
また、亜光速から音速Ⅴを獲得しました 〜
剣術Ⅹと音速を組み合わせたところでその上位互換を持つ相手にはとても敵わないが、傑には1500年間に渡り子孫たちが受け継いできた術がある。それを活用すれば騎士に近い能力を引き出すことが可能になる。
「《歴代王ノ呪術書》-魔力海完全開放-スキル強化-身体強化-魔力具現化-魔力纏-最大出力!」
魔力海という自身の潜在意識に存在する魔力まで合わせた本質の魔力を完全開放する荒技により、騎士のステータスを僅かながら上回った。
「うぉぉぉ!」
剣と剣とのぶつかり合い。両者の全力を出し合いしのぎを削る。少々卑怯な気もするが騎士の足を引っ掛け転ばすことに成功した。
「トドメだ![上級剣術:衝破剣]!」
渾身の一撃で騎士を吹き飛ばし、玉座を砕いた。
これで倒せたと思ったのが、騎士が動き出した。だが、どこか様子がおかしい。跪き傑の方を向いている。
『主人なき今、ア、貴方こそ、我が主人に、フ、相応しい』
「は?」
〜純白の騎士が仲間になりたそうにこちらをみています
仲間にしますか?
•はい
•いいえ
いいえを選択した場合能力の一部を引き継ぎます 〜
傑が『はい』を選択するとまたウィンドウが出てきた。
〜純白の騎士が仲間になりました
名前をつけてください 〜
「名前ね〜。うーん、じゃあ今日からお前はハクだ!」
『主人よ。僭越ながら頼みがある』
「なんだ?」
『前の主人が悪に敗北し、力を悪の手に渡してしまった。どうか、彼を助けてやりたいのだ』
「じゃあ、そいつを倒す手伝いをしてやる。主人の仇を討とうぜ」
『ありがたき幸せ』
よくよく考えたらモンスターが喋り、自我もしっかりしているのはおかしい。元々は人間だったのかもしれないな。
「いてて」
「実!大丈夫だったか?」
「ん?まだちょっと顎が痛いけど大丈夫だよ」
実が無事復帰し、この層もクリアすることができた。そして、第三層への階段も現れた。
〜第五十二層をクリアしました
報酬を獲得できます
次のうちいずれかを選択して下さい
>疲労回復
>スキルレベル一段階上昇
>ランダムボックス 〜
「どうせだから、ランダムボックスだな」
何故か疲れていない様子の実と傑はランダムボックスを選択し、ほかのメンバーは疲労回復を選択した。
ランダムボックスを開封し、実はアクセサリーの回復の指輪を、傑はハズレを引いたらしくただの石ころを入手した。
「そういえばさ、なんで実はスキル使えるんだ?」
「多分バグだと思うんだけどね、五竜のスキルはどっちかというと魔術よりだったからか最初から消えてなくて、他のスキルは《融合》を手に入れた時に何故か全部戻ってきたんだ。」
「へぇ、確かにバクかもな」
「おいおい、スグルこそ戻ってんじゃねぇか」
「俺は一層の報酬で《強欲の罪》を取り戻したから、試しに使ってみたら取り返せたんだよ」
「はぁ、お前ら......」
迷宮のバグやスキルで抜け道を作ったりとズルをした2人を見て呆れるユリウスだった。




