新武器
魔人領にて
「......様、先日申し上げた注意すべき者がタナカ・ミノルに接触しました」
「そうか、アイツは今までは出て来なかったからな、サイオンジ・スグルに次ぐ不確定要素か。楽しみだ」
「久しぶり、大罪人ユリウス・ネクシディナル」
デュアルとナイフを交えるのやめ、女性は離れた。ユリウスの過去について何も知らない実からしてみればいい人のユリウスが悪い人である大罪人だと言われても困惑するだけだった。傑、ユリウス両名はしかし、彼女が意図していることを理解していた。
「てめぇまだ俺から奪おうってのか?」
「あらあら、自意識過剰なこと。わたくしが狙ってますのはそこの少女ですわよ」
逃げて来た少女にナイフを向けながら言い放った。その言葉にある一種の覇気のようなものが感じられ少女は震え上がった。
今はひとまずユリウスの過去は後にして、少女を守ることに専念しなければならないと咄嗟に判断した実。
「貴方が何故この子を狙うのかはわかりませんが子供を殺すのを黙って見過ごすわけにはいきません」
「う〜ん、ミノルくん。ここは僕に任せてよ〜。君じゃ見つけられないよ」
たしかに、デュアルの言う通りだ。先程も彼が防いでくれなかったらやられていただろう。ここは彼に任せよう。念のため少女をエネルギーの障壁で覆っておく。
ふ、と煙のように、いやまるで最初からそこにいなかったかのように女は姿を消した。それと同時にデュアルも霧に消えた。
そこからの様子は実には認識できない領域だった。音も、風も、揺らぎもない。
しかし、色々試した結果少しだけ分かるようになってきた。
〜 スキル《エネルギー操作》の一部権能が分岐、変化し、スキル《気配察知Ⅰ》を獲得しました
気配察知Ⅰ・・・少しだけ相手の気配を感じ取るこ
とが可能 〜
数分の後、両者がボロボロになって現れた。
「はぁはぁキッツイね〜。いい戦いだったよ〜。君名前は?」
「わたくしの名は、アンリエッタ。私とここまでやり合えたのは貴方が初めてです」
河原で喧嘩した後の友情みたいなのが芽生え始めてしまったようだ。
「九人も強力な敵がいると仕事になりませんね。今日のところはここで。では」
またも消えてしまった。
「あっありがとうございます。この恩はいつか返します」
「いや、いいよ気をつけてね」
「はい」
念のため超小型ゴーレムを少女に渡しておいた。これで襲われることはないだろう。無事に家に帰れることを願おう。
翌日、宿を出ると複数の兵士に囲まれていた。捕まるのか?何か悪いことしたっけな?などと考えたが違った。
「王がお呼びだ。城まで同行しろ」
「何か悪いことしましたか?」
「いや、私にも分からん。とりあえずついて来てくれ」
「わかりました」
何かしたかな、うーわ街の人にすごい見られてる。
独特な形の城に到着した。城と言うよりは塔に近いだろう。
「陛下、一行を連れて参りました」
「入れ」
ギィィと古びた石の扉が開かれる。玉座には四十代ほどの強面の男性がいた。
「俺は現王であるユズヴィズマ・アーニチュラリーだ。昨日のお前たちの行い、感謝する」
「何かしましたか?」
「エフィニ、入りなさい」
奥の扉から出て来たのは昨日助けた少女だった。姫だったのか。だから王様に呼ばれたのか、でも彼が俺たちを下に見てることは態度でわかる。姫を助けたんだ、王直々に出向いてもいいはずだ。なのに城まで連れて来て、高圧的な態度。少し気分が悪い。
「昨日は本当にありがとうございました」
「褒美を与えよう。何が欲しい?金か?」
上から目線なのは気に食わないが褒美をくれると言うなら我慢しよう。
「金ならいらない、銃をくれ」
売り捌くつもりならやらん、と王様。金なら嫌と言うほどある、と傑。青くさいガキが何を言う。証拠を見せろ、と王様。
ジャラララララと傑が財布から宝貨を百枚ほど出した。宝貨は知る人ぞ知る古代の幻の貨幣だ。王はその存在を知らなかったらしく。
「ままごとではないんだ、偽物の貨幣を出すな」
だが、王の配下の一人の顔色が変わる。どうやら知っている人がいたようだ。その爺さんは王に進言する。
「へ、陛下!此れは偽物のなどでは有りませんぞ!幻の硬貨、宝貨でございます」
金貨の百倍の価値であることも伝えられるが、まだ信じてない様子なので傑が少し弄った。
「わかった宝貨一枚で銃をやろう」
ズルしたが交渉は成立、というか配下の言葉を信じようともせず娘の恩人から幻の貨幣を取ろうと考えるなんて王として大丈夫かな。
傑はアサルトライフルのような銃、実はマークスマンライフルのような銃、デュアルはハンドガン、ユリウスはいらないからやるよ、と傑にハンドガン、五人組はそれぞれサブマシンガンやハンドガンなどを手にした。
よく考えたらデュアルしか動いてないんだけど、まぁいいか。
ご意見、ご感想、誤字脱字等ありましたら教えて頂けると幸いです




