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普通すぎる俺の異世界転生  作者: 夜ノ彗
世界探訪
32/76

新たな迷宮 

指名手配されていることよりも魔王軍を退けた英雄として有名になったことで、実たちは近衛騎士の前以外ではほとんど顔を隠す必要がなくなった。その近衛騎士団は再選出が行われているので気兼ねなく帝国領内でも生活できていた。

そんなある日、街にあるニュースが届いた。

新たな迷宮発見!と見出しに書かれているだけで冒険者たちに盛り上がりを見せた。

実達もその迷宮に行ってみることにした。

「迷宮って案外早く終わっちゃうからそんなに荷物はいらないね」

「おいおいあんたらそんな軽装で迷宮に行くのか?迷宮の難度も分からねえガキが入るのはやめといたほうがいいんじゃねぇのw?」

中堅冒険者に絡まれてしまったが周りはその冒険者に冷ややかな視線を送っていた。

「おい、お前あの人は帝国を魔王軍から救った英雄だぞ。だからあんなに軽装でも大丈夫なんだよ」

ここで初めて英雄と囃されていることを知る一行。だが、中堅冒険者は納得がいかないらしく、反発してきた。

「お前らみたいなガキが?嘘をつけ!俺が身の程を教えてやるよ決闘だ!」

「は?馬鹿じゃねぇのお前。絶対に負けるからやめとけって」

「うるせえ!」

面倒な人に絡まれ、面倒なことになってしまい迷宮に潜るのは1時お預けとなった。冒険者同士の決闘は特殊な結界の貼られた闘技場でのみ許可される。殺すのは基本的にダメだが、互いの同意のもとで契約をしたのなら可能になる。男は絶対に負けないと思ったからか、ルールを死ぬか降伏するまでというものにしてしまった。実が悪役ならば確実にこの男は死んでいただろう。

「1vs1だとかわいそうだから8人全員でこいや」

「いや、俺1人でいいよね?」

「あぁいいよ実行ってこい」

「いいのか?死んじまうぞ?」

今この場にいる人のほとんどは実のことを知っているため、ギャラリーの考えは

「バカか」で統一されていた。

「では、冒険者ミノル対冒険者ブライアンの決闘を開始する。ルールは死ぬか降伏するかだ。じゃあ行くぞ。3.2.1はじめ!」

銅鑼の音で始まった決闘は一瞬でかたがついた。音が鳴った瞬間、実が神速を使ったのだ。

「どうします?降伏します?」

ブライアンはガクガクと震えながら首を縦に振った。

「勝者、ミノル!」

ギャラリーは唖然としていた。開始から降伏を宣言するまで僅か0.8秒、銅鑼がなり終わる前に決着がついてしまったのだ。

「「う、うぉぉぉ!!」」

物凄い歓声が起こった。ブライアンは身をもって実の強さを実感しそれからは心を入れ替えて新人にも親切に接する様になった。

「おつかれ。早すぎんだろ」

「やぁーあれが1番かと思ってね。やりすぎたかな?」

「まぁいいだろ」

少し出遅れたが、実一行も迷宮探索を開始した。迷宮はやはり大した敵はおらず、サクサクと探索が進んだ。レベル上げのために実はほとんど攻撃をせずに傑が主体となって竜人達が攻撃をした。グランのレベルが50になった時のことだった。

「ねぇ、兄ちゃん。身体がすっごい痛いよ」

「え?大丈夫?」

すると、グランの体が内側から光出した。

「うぅ痛いよぉ」

痛みが強いらしくグランは今にも泣きそうだ。各々がグランにさらなる異常を見つけた。それは、体が徐々に大きくなっていたことだ。グランもそれに気がつき。

「兄ちゃん達下がってたほうがいいかも」

グランの考え通り一気に巨大化していき、辺りは砂埃に包まれた。

「ゲホッゲホッ」

『兄ちゃーん。僕ドラゴンになったよー!』

正確にはドラゴンになったというよりかはドラゴンに戻ったと言えるだろう。グランは新たなスキル《竜変化(ドラゴンチェンジ)》を獲得し、いつでも切り替えることができる様になった。龍形態では体が大きい分小回りは効かないが、技の威力が上がるらしい。これでグランの戦略の幅が広がり本人はとても喜んでいた。

「いいなあれ。俺たちもできるかな?」

「できるんじゃない?」

他の竜人もそろそろ50レベに近づいていた。

それから、さらにレベル上げを行い、全員が竜の姿を取り戻すことに成功した。だが、龍形態だと迷宮の道には大きすぎるためこの姿はなるべく出さない様にした。

奥へ奥へと進んでいくうちにだんだんと他の冒険者が見当たらなくなってきた。現在82層まで来ていた。この迷宮が何層あるかわからないため油断は禁物だが、特に強敵と出会うことがないまま、100層へ到達した。実が最初に攻略した所は100層なので同じならここが最後の階層だ。

「広い所に出たね。100層だしここが最後かな?」

『ヨクゾココマデ辿リ着イタナ、冒険者タチヨ。オ前タチニ一ツメの試練ヲ与エヨウ』

まるで機械音声の様な声に何処か懐かしさを感じていると、石盤が現れた。

〜 1の試練

時代ノ流レ持ツ混ザリシモノ

イロの力、シロニブツケン 〜

読み終えると、強い光で視界が奪われ、視界を取り戻すとそこにはカラフルな城下町が広がっていた。

「これってどういうことだろう?」

「なぞなぞじゃない?」

考えること30分、レンが閃いた。

「あ、あの。時ノ流レ持ツ混ザリシモノって私たちの変身のことじゃないですか?」

「何で?」

「えっと、時代は変化するものだと思いました。」

人と喋るのが苦手なレンなりに頑張って説明をすると、だんだん謎が解けてきた。

「じゃあさ、色の力は5属性の技ってことかな?」

「そうかもな。シロニブツケンはあのでかい城のことかな?」

「じゃあみんなやってみて。」

「せーのっ、えいっ」

5属性の技が絡まって綺麗な色を醸し出していた。そしてその螺旋状の光線は城に直撃した。しかし、何も起きなかった。

「え?何でだ?もしかしたら竜の方でやらなきゃダメなのかな?」

竜人たちは竜の姿になり再度技を放ったが、結果は同じだった。

「うーん、何で時代と持とかは漢字なのにシロは違うんだろ?」

「え?あっ確かに」

「シロ、シロ、シロ」

ライトがぶつぶつと言い出した。

「「あっシロは城じゃなくて白だよ」」

「「え?」」

ライトが言うのと同時にグランも同じことを言ったことに2人とも驚いていた。

「何でお前、俺の真似するんだよ」

「ライトこそ何で僕の真似するの?」

「コラコラ喧嘩しないで。しろしろ言われてもわからないよ。どういうこと?」

「シロは色のことだと思うよ」

「でも、白なくない?こんなカラフルなのに白色だけないんだけど。手分けして探そっか、後でここに集合ね」

分かれて白色を探すが中々見つからず結局全員元の位置に戻ってきてしまった。

「なんでないんだよぉ」

グランが地面に寝転がったので注意しようとすると、

「あっ!白あったぁ!」

「どこ?」

グランは空を指差した。そこには青空にひとつだけ大きな雲があった。そこの目掛けて技を放つと見事試練を達成することができた。

「はぁーやっと迷宮終わったぁ」

『1ノ試練、達成オメデトウ。引キ続キ探索ヲ頑張レ』

「「まだおわりじゃないのぉぉ!?」」

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