海中
「っ船長!巨大な渦に引き込まれます!」
「なに?持ち直せるか?」
「無理ですっ!」
またしてもトラブルが起こってしまった。
傑たちを乗せた船は巨大な渦に飲み込まれてしまった。
「いてて。ん?ここは海の......中?」
「わぁー凄いねー」
人数確認をしたところ乗組員たちは全員無事だった。渦に呑まれたというのに船も壊れていない。それに加え海中に謎の膜が貼ってあり空洞ができているので何かがあるかもしれないと周囲の調査を始めた。
「建物があるぞー」
乗組員の1人が海中に沈んだ建物を発見し入ってみることにした。万が一モンスターが出てくると非戦闘員は危険なのでユリウスと竜人組からはグランとラヴァが船に残ることにした。
建物の中に入った途端、中規模の地震が起きた。そして、5人が入ってきた入り口が塞がれ内部の形が変化してしまった。
「迷宮かな?」
「わかんないけどとりあえず出口を探そう」
1時間ほど歩き続けると階段が現れた。階段を降りるとそこには闘技場のような空間が広がっていた。
『ようこそ、私のコロシアムへ。歓迎するわ。まずはご挨拶よ、キメラ行ってきて』
ギギギという音とともに正面の門が開き入り口が閉ざされた。
(ガァウ)
「戦えってことかな?レイ、アビィ、レン気をつけてね。危なくなったら逃げていいから」
「大丈夫だよ。あんたも死なないようにな」
キメラは麻痺効果のあるブレスを放ってきた。レイは雷属性を得意とするので効かなかったが、傑とアビィが攻撃をくらってしまい麻痺してしまった。
「大丈夫か⁉︎」
「構うな、大丈夫だから。」
口からは麻痺ブレス、尻尾の蛇からは炎ブレス、そして、鋭い爪と攻撃方法が豊富だ。
実が《蜈蚣》《死霊ノ王》を発動し爪からの攻撃を防ぎ、さらには毒を与えゾンビの群れを操り反撃した。
ゾンビの数が半分以下になってしまったが勝つことができた。《死霊ノ王》の能力の一つである禁術魔法を使い倒したキメラをゾンビ軍団の一員にした。
『私のキメラちゃんを倒すなんてすごいわね。でも禁術魔法には感心しないわね。私のペットの中で1番強い子を行かせるわ』
再び門が開き中から石でできた右腕が飛んできた。傑とアビィは麻痺から復帰していた。
「え?腕だけ?」
『あーごめんねー。ちょっと待っててあげて、詰まってるみたいだから』
1パーツづつ中から飛んできて合体していった。全長10mくらいありそうなゴーレムが完成した。
「強そうだな。実どうする?」
「あぁ、俺に任せて。多分傑たちに出番はないかな」
実の言っていることが分からず混乱する一同。しかし、そんなことを気にもせず、あるスキルを発動した。すると、ゴーレムは実たちの方に向かってきた。
「え?実さんこっちきてますけど?」
「大丈夫だよ。権限を書き換えたから」
『「ええー!?』」
傑たちはおろかゴーレムの飼い主(?)も驚いていた。
『わ、私のゴーレムちゃんに何したの?」
「スキル使って管理者を俺に書き換えました」
コロシアムの主は潔く負けを認めた、そして実にはやく返してよねと少し怒り気味に言ったので、実はすぐに権限を戻した。
『一応ここは迷宮という扱いなんだ。だからなんかご褒美あげなきゃね』
すると声の主が沢山の巻き物を持ってやってきた。それは古代から現代のスキルが書かれた書物だった。どうやら棚から適当に持ってきたらしくなんのスキルが出るか分からないそうだ。こんなに雑な人が迷宮の管理者でいいのかな?でも可愛いからいっかと実は思った。
バイバイと声が聞こえたかと思うと全員元いた船にいた。海中ではなく海上に。
そして、迷宮(?)探索組は持ち帰ったスキルが人数分あったので1人に一つづつくじ引きで渡して行った。ほとんどが普通にあるスキルだったが中には当たりを引いた人もいた。
毎回船長に報告していた乗組員は《危機無効》という名前からしてものすごいスキルを手に入れていたが、船長は自分に合うスキルが出なかったためガッカリしていた。
「なぁ俺たちも開けようぜ」
「そうだね」
〜 スキル書の使用を確認。
レジェンドスキル《テイマー》を獲得しました。
《テイマー》モンスターを手懐け仲間にすることが可能。モンスターが意図していることが分かるようになる。モンスターがレベルアップした時にその時の必要分の経験値の3分の1を手に入れる。また、仲間のモンスターの持つスキルを自分も手に入れることができる。(レベルは1、進化している場合進化前に戻る) 〜
実が手に入れたスキルは異常なスキルだった。そして、傑はというと、
〜スキル書の使用を確認。
スキル《強欲》を獲得しました。
《富豪Ⅶ》が《強欲》に統合されました。
これによりギルティスキル《強欲の罪》を獲得しました。
《強欲の罪》[財宝千里眼]財宝用の千里眼
[富豪]
他人のスキルを見ることでその
劣化版を手に入れることができ
る。 〜
と、傑は当たりスキルを引いただけでなく進化までさせていた。
それぞれがスキルの確認を終え船を再び動かした。そして、2日後無事傑の会社にたどり着いた。




