勇者......
「あー、えっとちょっといいですか?」
「あぁわかった」
傑を連れて部屋の外に出た。
「異世界からきたって言ってないんだけど」
「あーそういうことね」
傑は自分が異世界人だと知っている人が1人いることを明かした。どうしようか2人で相談した結果、異世界人だと明かすことにした。
「お待たせしました......えっーと僕たちは異世界から来ました。田舎から来たってのは嘘です。ごめんなさい」
「い、異世界人⁉︎」
異世界人という存在自体この世界では全く知られていないらしい。面倒ごとに巻き込まれる可能性があるからと他には公表しないことを約束してもらったが、2時間程度質問攻めにされてしまった。その後、ギルドマスターと一緒にみんなで夕食を食べ宿に泊まった。
翌日、武器屋に顔を出した。
「よぉ兄ちゃんあの迷宮を攻略したんだって?」
「はい。お久しぶりです。」
武器屋の親父は先代勇者の装備を持っていたあたり何か情報を持っている可能性が高い、そこで実はこれまで疑問に思っていたことを伝えた。
「あの聞きたいことがあるんですが......」
実が疑問に思っていたことは勇者についてのことだ。初めギルマスターに言われたのは勇者パーティの救出ということだったのだが、実が助けたのは勇者ただ1人だった。報告に行った時にギルドマスターは他のパーティメンバーがいないことを聞いてこなかった。これこそが疑問だったのだ。戦死したり行方不明ならなぜ報告をしなかったのか、そしてギルドマスターはなぜそれを疑問に思わずにまるで最初からいなかったかのような対応をしたのかがわからなかった。
「あの勇者か、あいつはな......」
あの勇者がどこから来たのか知っている人はおそらくいなく、聖剣を抜いたことで勇者に選ばれたそうだが何故か聖剣の力があるのにもかかわらずものすごく弱いらしい。そして、親父は自分が先代と一緒に旅をしていたことを明かした。その時に魔王討伐に向かったのだがそこに魔王はいなかったという。魔王の椅子の裏で転移の魔法陣を発見し、そこにいるかもしれないと入ってみることにした。
「......お前が魔王か?」
「魔王?あんな小物と我を一緒にするでない。我は魔神リエビル、この世界を裏から操る者だ」
「あなたたち程度私で充分でしょう。よろしいですか?」
「ああ、頼んだ」
そう言い残しリエビルの姿は消えてしまった。幹部らしき黒いコートを纏ったものに襲われ気がついたときには自分以外の姿は消えてしまっていた。
「んで運良く俺だけ生き残ったって訳だ」
「それと勇者になんの関係が?」
「あぁそうだった、あの黒コートと勇者の雰囲気がどことなく似ているんだもしかしたら同一人物かも知れん、気をつけてな」
「その黒コートって雪の結晶が彫られた指輪をしていませんでしたか?」
「あぁ確かそうだったがなぜそれを?」
傑は20年前に消えた街で出会った男のことを話した。親父はそれを聞いてよく生き残ったなと言った。今回の話を踏まえて今後は勇者に気をつける事を決めた。
「じゃあそろそろ行くか」
馬車に乗せてもらい停泊所のある港町に向かった。そこまでの道のりは長く途中で馬車を変えたりした。1週間後港町に到着した。
「じゃあここからは俺の船で会社兼家に
むかうから乗ってくれ。」
驚く実、暴れる5人組が増えた船は再び危険な海に向け出航した。




