船旅
傑達がいるフォルセディン帝国は北側に海がありそこを通っていくのが1番早いがそれでも海を渡りきるのに1週間はかかる。今回は長旅なので食料などを積むために中型の船を購入した。
「海には危険なモンスターはいないですか?」
「今から行くところは世界有数の危険な海だからあんまり地表に出て来ないけど国潰せるくらいの奴はいるぞ」
「大丈夫なんですか?」
「あぁ、この船は常時あいつらが嫌う匂いと音を発しているしいざとなったら攻撃もできる優れものだ。」
大きめの食糧庫と寝室、広間、ジャグジーなどがついている時点で日本人なら驚くところだが傑は日本でも大型のクルーザーを所有しているのでさほど驚かなかった。しかし、そんな船が武装していることには流石に驚いていた。今回傑達に同行するのは船長とシェフ、整備係の15人で向かうことになった。
船が港を出てから2時間後くらいに早速嵐に遭遇するというハプニングがあったが難なく突破できた。
「今の嵐相当大きかったですね」
「船が沈まなくてよかった。まだ出航したばっかりなのにこんなんで1週間持つか心配だな」
「そうですね」
ここからは特に危険な目には遭わず安心して渡航していた。しかし、乗組員の1人が異常に気がついた。
「せ、船長!たった今探知魔法に巨大な何かが引っかかりました。」
「なに?規模は?」
「はい。大型客船をも飲み込んでしまいそうなレベルで、現在こちらに向かってきています。」
「まずいな。スグルさんたちに知らせてくれ、頼む」
「わかりました!」
この報告を聞いた2人は急いでデッキに出た。そしてこちらに迫ってくる影に圧倒されていた。ユリウスはとりあえず船の武器でなんとかならないか様子見しようと言った。
「ダメです!全く効いていません!それどころか速度を増しています。」
「僕が出ます」
「スグル、あれは無理だろ。やめとけ」
「スキルを試してみます。失敗したらもう1度かけれるよう頑張ります!」
そう言い残し最近獲得した《空歩》を使い走って行った。
「頼むぞ《異常》!」
《異常》は対象を文字通り異常にするスキルだ。しかしそれは異常につよくもなれば異常に弱くもなるという運任せのスキルだった。
神が傑に味方したのか対象を異常に弱くすることに成功した。相手もそれに気づいたらしく戦力差を感じ取り撤退していった。
それを見ていた乗組員たちから大歓声が送られた。
「おい!スグルっ大丈夫か?」
「はいなにもされてないので」
「あいつになにしたんだ?こっちからは少し触っただけに見えたんだが」
「その通りですよ触っただけです」
「そんな強いスキル持ってたのか、まぁこれ以上詮索はやめとくな。一応休んどけ」
「はい。ありがとうございます」
こうして彼らは窮地を脱し無事海を渡りきった。




