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遠野 三雲  作者: 雨世界
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54 ……幸せって、いったいなんだと思いますか?

 ……幸せって、いったいなんだと思いますか? 


 その日の放課後の時間。

 三津坂西中学校の校舎内にある音楽室の中で、三雲鞠は吉木透と昨日の別れ以来、初めての再会をした。

 いつものように顧問の並木香先生の指導のもとで、約十人くらいの音楽部の部活動を行いながら、鞠は時折、ピアノの休憩中に透の顔を確認した。

 透はいつものように、一生懸命になって、テナーサックスを吹いていた。

 透はずっと真面目な顔をしていた。

 鞠のように、不謹慎な思いに心を支配されているようなことはないように思えた。

 それは鞠の奏でるピアノの音と、透の吹くテナーサックスの音を聞けば、一目瞭然? で、音楽をやったことのある人なら、すぐに理解できることだった。

「どうしたの、三雲さん。珍しく、今日は演奏にあんまり集中できてないね」

 鞠は部活動の途中で、そんなことを笑いながら、並木先生に指摘されてしまった。すると、音楽室の中に明るい笑いが起こった。

「すみません」頬を赤らめて鞠は言った。

 並木先生には、鞠はすごくお世話になっていて(部活動のことだけではなく、卒業後の進路のことや、あと個人的な悩みなども鞠は普段からとても仲の良い並木先生によく相談をしていた)、そのこともあって、(あと悩んでいる理由も理由だし)鞠はいつも以上に恥ずかしくなって、その顔を真っ赤にした。

 ちらっとみんなの様子を確認すると、透もみんなに混ざって、その顔に優しい笑みを浮かべていた。

 いつもとまったく同じ吉木透がそこにいた。

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