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「たくさんのことを、遠野さんと話したい」水瀬くんは言う。
「うん。私も、水瀬くんとあって、たくさんお話がしたい」雨は言う。
水瀬くんと二人で、たくさんお話をする。
「いろんな思い出を、この街で、遠野さんと一緒に作りたいんだ」と水瀬くんは言う。
「うん」
思わず雨は受話器のところで少しだけ、泣いてしまう。
「私も、水瀬くんと一緒にたくさん思い出を作りたい」雨は言う。
「うん」
水瀬くんは言う。
それから、二人は数秒間、沈黙する。
「遠野さん」
「なに?」
雨は言う。
「遠野さんに会って、伝えたいことがあるんだ」
「私に伝えたいこと?」
「うん。大切なこと」
水瀬くんは言う。
それはなんだろう? と雨は思う。
そして、すぐに、あ、そうか。私の告白のことか。と、そんなことを思い出した。
「どこかで、会えるかな?」
「学校じゃだめなの?」
「できれば、学校じゃないところがいい」
雨は少し考える。
それから「じゃあ、家の、遠野神社の石段の前にある鳥居のところで待ち合わせがしたい。あの赤い鳥居のところ」と水瀬くんに伝えた。
「赤い鳥居のところ」
「うん。……そこで、いいかな?」
雨の言葉に、「……うん。わかった。そこでいいよ」と優しい声で水瀬くんはそう言った。




