表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
遠野 三雲  作者: 雨世界
34/82

34

「誰からの電話?」雪のあとで、神社から帰ってきたお父さんが言う。

「山の上の星の王子さまから電話だよ」と台所から顔だけを出して姉の雪が言った。

 するとお父さんは「ああ、なるほどね」と言って、嬉しそうな顔を雨に見せてから、すれ違い様に「頑張ってね」とお父さんは雨に小声でそう言ってから、雪のいる台所の中に入っていった。

「……遠野さん? どうかしたの?」

 ずっと黙っている雨に受話器の向こう側から水瀬くんが言う。

「ううん。なんでもない」

 雨は顔を赤くしながら水瀬くんに返事をする。

「えっと、それで、今日はどうかしたの?」

 雨は言う。

「うん。いろいろと話したいことがあるんだ」

 水瀬くんは言う。

「話たいこと?」

「うん。話たいこと」

 話たいこと。

 そう。確かに話たいことはたくさん、すごくたくさんあった。

 告白のこと。引越しのこと。東京での水瀬くんの生活や暮らしのこと。水瀬くんの昔の友達のこと。それから、……水瀬くん自身のこと。

 私、水瀬くんのこと、考えてみたら、なんにも知らないんだ。

 そんなことを雨は思った。

「いろんなことを遠野さんと話したいんだ。僕の話を聞いてほしい。そして、もし可能なら、遠野さんのことを、僕に教えてほしい。遠野さんの話が聞いてみたいんだ」と優しい声で水瀬くんは言った。 

「え? 私のこと?」

 驚いた声で雨は言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ