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遠野 三雲  作者: 雨世界
29/82

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 それから雨がみんなと再会したのは、天体観測の日が五月の長期連中の中日であったこともあり、数日後のことだった。

 その間、天気は崩れて、毎日雨ばかりが降っていた。

 雨はずっとベットの中で横になりながら(朝見先生に言われたので、病院には行った。先生に報告もした。もちろん、体のどこも悪くはなかった)ぼんやりと毎日を過ごした。

 雨は窓の外に降る自分と同じ名前の雨を見ながら、ずっとみんなのことや、……高校生になるころに、また引越しをしてしまうという、水瀬くんのこと、……それから、親友の浜辺愛のことを、ずっとずっと考えていた。


「おはよう。山の上の眠り姫」

 お休み明けの学校の教室の中で、少し遅れてやってきた雨を見つけて、にっこりと笑って愛は言った。

 雨は無言のまま自分の席に着席した。(謝ろうかと思っていたのに、茶化されてその機会を失ってしまったのだ)

「気分はどう?」

 雨の席の隣にきて、愛は言う。

「なんともない」

 雨は言う。

「あ、雨。体大丈夫なの?」

 教室の中にやってきた瞳が、雨を見つけてそう言った。

「大丈夫。瞳。あの日は、本当にごめんなさい」

 雨は瞳に謝った。

「別にいいよ。そういうこともあるよ。雨。昔から、よく貧血で倒れてたしね」

 瞳はそう言って、雨の頭を撫でると、それから「じゃあ、またあとで」と言って、自分の席に移動した。

「本当に大丈夫?」

 愛は言った。

「大丈夫。それと、ごめんなさい」

 愛を見て、雨は言った。

「うん。別にいいよ」

 そう言って愛は笑った。

 それから雨は水瀬くんの席を見た。

 そこには誰の姿もなかった。

 どうやら今日は、水瀬くんはお休みのようだった。(水瀬くんは今日のように、ある日突然、学校をお休みすることが、これまでにも何度かあった)

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