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綺石のクラウン  作者: もももか
第八章 『サードニクス』
75/145

IV

連れて来られた地下牢。

そこで胸に焼印を押された。

奴隷の烙印。

そして、3286という数字。

赤く燃える鉄が俺の肌に触れると、肉が焼ける匂いが辺りに充満した。

あまりの痛みに喉が潰れるくらい叫んだ。

この焼印のせいで感染症を引き起こし、しばらく高熱で意識が飛んでしまった。

意識が戻ったのは奴隷の共同部屋とされる牢獄の中だった。

その牢獄には自分と同じくらいの少年たちがいた。

「君、大丈夫?」

「三日前にここに連れてこられたんだよ」

「胸、痛くない?」

「お腹空いてるか?もうすぐ飯の時間だから我慢しろよ」

皆、胸に烙印が押され、鉄の首輪がはめられていた。

俺より若い番号だった彼らは、もっと前に連れて来られたんだろう。

皆、境遇は違っていた。

いきなり拉致された者。

寝ていたら襲われて連れて来られた者。

村を焼かれ、そのまま捕まってしまった者。

家族と離れ離れになった者。

家族という言葉に姉さんを思い出した。

だが、鉄格子で張り巡らされたこの牢獄から出るのは不可能だった。

俺は姉さんを置いて捕まってしまった。

奴隷になった事よりも、その事の方がショックだった。

それからの毎日は過酷だった。

食物に困らなくなった代わりに、闘技場の客寄せとなる剣闘士になるべく、連日剣の稽古をやらされた。

闘える体力、筋力と並行に、何処を狙えば一撃で相手を仕留める事ができるのか、戦闘の知識も身に付いた。

稽古の途中、反抗したり手加減をしていると容赦なく鞭が飛んだ。

俺の体にも消えない跡が幾つも残っている。

年を重ね、剣闘士として使える人材になると、もっと過酷だった。

多くの観客が見る中、見世物として同じ牢の少年と闘わされた。

俺は、生きるために彼らを殺した。

観客から奴隷の管理番号でなく、名前で歓声を浴びるようになる頃、牢獄には俺一人だけになっていた。

何のために生きているんだろうと問うた事もあった。

だが、このまま死んで行くのは嫌だった。

姉さんにもう一度会えるのなら。

その僅かな希望だけが俺を支えた。

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