XI
一連の騒ぎは城内でも話題になり、後日食堂でランチを楽しむ近衛兵たちも丁度その話をしていた。
「やっぱり姫様は可愛いよな〜怖がってる陛下に頑張れって始終励ましてたなんて!健気じゃねぇか!」
「陛下も怪我がなくて良かったね。何かあったら一大事になってただろうし」
「そうそう!で、結局何を探してたんだろうな?」
アレキサンドライトが探していた駒の事はなんとか内密に出来ていたようで、詳細までは皆に広まっていないようだった。
「それにしても、陛下は本当にネコが苦手なんだね」
「あそこまで行くとトラウマでもあったんじゃね?」
「俺が城に来た時には既に怖がってたぞ?幼少の頃に何かあったんじゃないのか?」
丁度食事を乗せたトレイを運びながら、もう一人の近衛兵がやって来た。
「何なに?何の話?」
「陛下のネコ嫌いについてだよ」
「あーその話か。懐かしいな〜昔陛下がこーんな小さい時によ、俺が『ネコお化け』の話したんだよな〜」
「『ネコお化け』?」
後からやって来た近衛兵は席に着くなり、パンをかじりながら当時の話を思い出しながら皆に話した。
「いやさ、ネコは死神の仮の姿で、目が合った人間を取って食っちまうって話したんだよ。そしたら陛下めちゃくちゃ怖がってさ〜」
ケラケラと笑いながら近衛兵は続ける。
「あまりにも怖がるから俺も面白くてついあることないこと話しちまってよー。『あの縦長の目に自分が映ったら死ぬ』とか『横切られたら寿命が縮まる』とかさ。そしたらとうとう泣き出しちゃってさ〜!いやーあの頃は素直で可愛かったな、うん!」
話を聞かされた三人は顔を青くした。
「え?何?どうした?」
きょとんとした顔で話した近衛兵は尋ねるが、聞かされた三人は自分のトレイを持ち上げ、そそくさと別のテーブルに移ろうとする。
「僕、何も聞いてないから!」
「俺も!」
「今日も良い天気だな」
「ちょいちょい!待てよお前ら!どこ行くんだよ!?」
この近衛兵が原因で、アレキサンドライトの猫恐怖症が発症したのは言うまでもなかった。
【ロイヤルゲームのルール:7】
『七国王は死神の監視下に置かれる』
ロイヤルゲームの宣告、挑戦状の手配などから、死神は常に七国王を監視する役割を担う
時には姿を変え七国王に近づくこともある




