VIII
「事情はわかったよ。けど、どうやって捕まえるのさ?」
一連の経緯を聞かされたクオンタムは、寝巻きからいつもの軍服に着替えたアレキサンドライトに尋ねた。
この状況では断ってもルーベライトの肖像画制作に入れないと渋々協力することにしたが、いかんせん相手は動物だ。
「まだ遠くに行ってないだろうけど、近寄ったら逃げちゃうよ?」
「兵士に手分けして探させたらいいだろう。何の為に駐在している」
「それだと多くの人に驚いて逃げてしまいますわ」
どこか投げやりのアイオライトの傷口を優しく拭いてやりながらルーベライトは言う。
「チェスピースくらい諦めなよ。変わりに似たようなもの買ってきてあげるからさ」
「駄目だ!あの駒じゃなきゃ!あの駒がないと駄目なんだ!!」
再度両肩を掴まれ力説されるクオンタム。
焦りや恐怖、様々な負の感情が入り混じったアレキサンドライトの目の色を見て思わずたじろぐ。
もしあの駒がひび割れたり、壊れでもしたら……
先日のネフライトとのゲームを思い出し、自分もそうなるかもしれない恐怖と不安で焦るアレキサンドライト。
そんな彼の肩に、ルーベライトの手が乗せられる。
「大丈夫です。皆さんで探せばきっと手元に戻りますよ」
事情がわかっている彼女だからこそかけれた言葉だった。
「……そうだな。ありがとう」
らしくない焦りに気が付いて、礼を言うアレキサンドライト。
見つめ合う二人の唯ならぬ雰囲気の間に態とアイオライトが入る。
「早い所探し出すぞ。街にでも逃げられたら取り返しがつかん」
取り敢えず、二手に別れて探してみようとクオンタムの提案で、四人は城内を探す事になった。




