VI
翌朝。
暖かい朝の優しい光。
その光が眩しくてゆっくりと瞼を持ち上げる。
見慣れた自室。
いつもと変わらない風景だった。
だが、ある違和感に気付きアレキサンドライトは飛び起きた。
恐る恐るシーツを捲ると、そこにいたのは……
「ひぃぃぃぃぃいいいいい!!!!!」
緩やかに上下する白い毛並み。
体を丸くして寝息を立てた白猫がいた。
思わず部屋の隅に逃げる。
「ど、どうして……!?」
昨日に続き、今日も奴がいる。
流れる冷や汗が止まらない。
アレキサンドライトの悲鳴を聞き、白猫は目を開けるなりうんと体を伸ばした。
欠伸を一つし、アレキサンドライトの方にギラリと光る目を向ける。
「にゃー」
「く、来るな!あっちへ行け!!」
声を震わせながらしっしと手を振る。
が、そんなアレキサンドライトに構わず、白猫はある物を見つける。
ヘッドボードに置かれた深緑の獅子の駒。
アレキサンドライトの奇石で出来たロイヤルゲーム参戦者の証。
白猫はあろう事かそれを咥え、ベランダから逃げようとした。
「ま、待て!それは……!!」
アレキサンドライトの制止に振り返る白猫。
目が合うなり恐怖に腰を抜かしてへたり込んでしまうアレキサンドライトをあざ笑うように、白猫はベランダから木へ飛び移って逃げてしまった。




