IV
「何をやっているんですか、大の大人が揃いも揃って」
半ば呆れた口調でセラフィナイトが言い寄った。
「ごめん、ちょっとやり過ぎちゃったかも……」
「アレクの力になればと思ったんですが……」
「あれくらいで失神するとは誰も思わないだろう」
申し訳なさそうに謝るクオンタムとルーベライトだったが、アイオライトは相変わらずいつもの調子だった。
アレキサンドライトはソファに座り、毛布に小さく包まって震えていた。
余程怖い思いをしたのだろうと、見るからに気の毒な気持ちになる。
「陛下、大丈夫ですか?」
セラフィナイトの声にも反応できないアレキサンドライト。
完全に生気が抜け切っている彼に再度声をかける。
「ごめんねアレク、大丈夫?」
「もうしませんから許してくださいな」
「ほら、プンプン王子も謝んなよ!」
「何故私が謝らねばならんのだ?」
「君が提案してやった事でしょ!?」
「実行したのは貴様だろう」
「あ!人のせいにする気!?卑怯者ー!」
卑怯者という言葉に眉間を寄せたが、ルーベライトがそれを咎めた。
「お兄様、一緒に謝りましょう?」
「……ルーベがそう言うのなら、仕方ない」
「それ謝罪の気持ち一切入ってないよね?てゆーか一番楽しんでたのルーベさんじゃない?」
アレキサンドライトは思わず顔を上げてルーベライトを見た。
目が合ったルーベライトは少し間を開けて、ニコリと微笑んでみせた。
花が咲いたようなその笑みに、アイオライトは心底惚れ惚れとし、クオンタムは誤魔化すの上手いなと内心毒付き、セラフィナイトは頭が痛いとため息をつきながら額に手をやった。
アレキサンドライトは先程の恐怖を思い出し、一人小刻みに怯えていた。
「とにかく、今日はこれでお開きにしてください。夜も遅いですし、ルーベライト姫は部屋までお送りします。アイオライト様もお部屋を用意しますから、今日は城でお休みになってください。クオンタム様は早々にお引き取りください。」
「えー!なんで僕だけ帰らないといけないのさー!?」
「当たり前だろう。貴様とは格が違うのだよ」
「よく言うよ、約束もなしに厄介になる癖に」
「まぁまぁ。クオンタム様も今度ご一緒にお泊り会しましょうね」
「え!?ホント!?呼んでくれるの!?」
「はい」
「おい貴様!ルーベに何をする気だ!?」
「何もするわけないでしょ!?いい加減にしなよ!」
大人気ない二人のやり取りに、またも頭を抑えるセラフィナイトだった。




