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綺石のクラウン  作者: もももか
第七章 『キャッツアイ』
63/145

III

「嫌だ!離せ!頼むからやめてくれ!!」

嫌がるアレキサンドライトを無理矢理抑え込み、縄を使い椅子に縛り付ける。

クオンタムがいつも作品制作で使用しているルーベライトの部屋に、アレキサンドライトは拉致に近い形で連れ込まれた。

「ここで逃げては貴様のためにならんだろう?」

「嫌だー!!」

「貴様も男なら覚悟を決めろ!」

「お前、顔が笑ってるじゃないか!楽しんでるだろ!?」

「失敬な!言いがかりなのだよ!!」

「嘘だー!!」

「アレク、頑張ってください!ネコさんとお友達になれるチャンスです!」

「そんなチャンスいらない!!」

バタバタと抵抗するアレキサンドライトを励まそうとルーベライトも声をかけるが、肝心の当人は顔を青くしたままだった。

準備が出来たのか、クオンタムが何かが入った箱を持って来て、それを床に置く。

「じゃ、はじめよっか。アレク、コレな〜んだ?」

箱からゴソゴソと何かを取り出した。

アレキサンドライトは悲鳴を上げて首を反らし、目を固く閉じたが、アイオライトに無理矢理正面を向かされ、瞼をこじ開けられる。

目に入ってきたのは、小さな剥製だった。

「……う、うさぎ」

「当たり〜!じゃあコレは?」

次に取り出した木製の置物を見せてやる。

「……う、馬」

「うんうん!コレは?」

サンドライトの国章、自分の象徴とも言えるエンブレムを見せてやる。

「……ラ、ライオン」

「良い感じだね!じゃあコレは?」

次に見せた陶器の置物。

形が見えた途端、アレキサンドライトは壮大な悲鳴を上げた。

「ひぃぃぃぃぃいいいいい!!!!!」

「やっぱり作り物でも苦手なんだね」

陶器で作られた猫の置物を見て、ルーベライトは可愛らしいとその頭を撫でた。

「なるほど。では次の作戦に移る」

アイオライトの提案で次の作戦が実行されることになった。

「アレク、僕は誰でしょ〜?」

パペット型になっているぬいぐるみをなりきって動かしながらクオンタムはアレキサンドライトに問いかけた。

「……く、熊」

「せいか〜い!じゃあ僕は誰かな〜?」

次に現れたぬいぐるみを見て、アレキサンドライトは怯えながらもゆっくり答える。

「……う、牛」

「ピンポ〜ン!じゃあ次!僕はだーれだ?」

現れたぬいぐるみを見てアレキサンドライトはまたも悲鳴を上げた。

「ひぃぃぃぃぃいいいいい!!!!!」

「えー?デフォルメも駄目なの?」

猫の特徴を簡略化したぬいぐるみを、ルーベライトは可愛らしいと胸に抱き上げた。

「思ったより重症だな。次の作戦に移る」

再度アイオライトの提案で次の作戦が実行された。

クオンタムは真っ白なスケッチブックを取り出し、そこに一つ大きな丸を描いた。

「これは?」

イヤイヤと首を振って怯えるアレキサンドライトに見せると、震えてはいるが大丈夫なようだった。

そこに三角の山を二つ付け足して見せる

「これは?」

若干息が乱れているが、大丈夫な様子だった。

円の中に数本の線と真ん中辺りに描き込みを加えて見せる。

もう嫌だと涙声になっていたが、まだ大丈夫な様子だった。

アイオライトからもう少し踏み込んでみろとの指示が来たので、そこに縦に長い目を描いて見せた。

「ひぃぃぃぃぃいいいいい!!!!!」

途端怯えるように大きな悲鳴を上げた。

「なるほど。目が苦手なのかもしれん」

クオンタムが描いた簡単なイラストを見てアイオライトは頷いた。

「確かに、ネコの目って独特だもんね」

「ガラス玉みたいなお目々、とっても可愛らしいです」

「そうと分かれば次の作戦だ」

だが、アレキサンドライトの様子がおかしかった。

悲鳴を上げてから、ピクリとも動かなくなっていた。

顔を見れば、白目を向いて泡を吹いているではないか。

三人は悲鳴を上げた。

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