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綺石のクラウン  作者: もももか
第十二章 『オニキス』
122/145

XIII

アレキサンドライトが目を覚ますと、そこは以前連れてこられたアメジストの部屋だった。

光の差さない、塵と埃で充満した物置部屋。

頭を強く打ったせいで、まだ世界が回っているような浮遊間がある。

乱暴に床に寝かせられていたせいか、体が痛む。

それどころか、逃げれないように両手を背で縛られ、足にも枷が付けられ、身動きが取れないでいた。

何とか起き上がろうとすると、アメジストに殴られた腹部が痛み、力が入らない。

寝返りを打つように体を捩らせるが、腹に力が入らないせいか中途半端な体勢になってしまう。

屈辱的な事もあるが、何もできない今の自分の無力さに腹が立ち、アレキサンドライトは思わず舌打ちした。

それでも何とか体勢を変えようと体を動かしていると、上の戸棚から何かが落ちてきた。

その際に多くの埃が舞い、咳き込んだ。

落ちてきたのは、初めてこの部屋に連れてこられた際にも見た、とある一家の肖像画だった。

どうしてそんなものがこの部屋に置いてあるのだろう。

気になってその絵を見つめる。

黒髪に雪のような白い肌……黒い瞳と高貴な身なりでシャーマナイトの王族のものだろうか。

そこまで考えた時、以前アイオライトと話した事を思い出した。

『世継だった王子も、王妃も、居住していた城ごと燃やされ、証拠も残っていない。唯一生き残ったと言われていた王女も、今の女王の体制に切り替わる際に殺されたと聞く』

権力争いに負けた先々代の王。そして、その一家の構成。

合点がいく。

この絵の王様が先々代のシャーマナイト王なら、幼い頃に会った事がある。

王女の名は何と言っただろう?

教えてくれたその名が、思い出せない。

打ち付けた頭が回って気持ちが悪い。

込み上げる吐き気に目を閉じてやり過ごす。

緊張感から開放されたせいか、自然とやってきた微睡に身を任せた。

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