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綺石のクラウン  作者: もももか
第十一章 『プラチナ』
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IV

数日後。

その時の事がきっかけでルーベライトは尋問に掛けられることになった。

敵であるシャーマナイト兵を追い、一人の黒騎士の名を呼んでいた。

黒髪、黒目が特徴のシャーマナイト人の中にいた、銀髪、紫の瞳の男。

多くの兵がいる中でのその行為は瞬く間に城中の話題になり、その男と内通しているのではとの声があちこちから上がった。

ラズライトでの軍議の合間を縫い来城したアイオライトも同席し、会議室での尋問が始まった。

「ルーベライト姫。先日の一件、どういう経緯からそうなったのか、我らに説明していただけないでしょうか?」

セラフィナイトの問い掛けにルーベライトは俯いたままだった。

あの日以来、ずっとこの調子で、声を掛けてもまともな返事が返ってこなかった。

埒があかないとラズライトに書状を送り、アイオライトに来城してもらうことになったのだ。

「両国の親善大使である貴方に疑いを掛けたくないのです。我らにお話ししていただけねば、容疑を掛けざるを得なくなります」

アイオライトは隣に座るルーベライトを一度見てからセラフィナイトに答える。

「ただの人違いだ」

「人違い?」

「ラズライトに居た頃に世話になった人物と似ていたそうだ。それをルーベが勘違いして追っただけの事だ」

「本当ですか?」

セラフィナイトの問いかけに、やはりルーベライトは答えなかった。

「ルーベ、本当の事を言ってくれないか?」

二人でサンドリアを周り、想いを告げ、部屋の前で別れて以来、まともな会話をしていなかったアレキサンドライトはできるだけ優しく問いかける。

「私は君を信じている。だが、君から直接話を聞かなければ収まりがつかないのも事実だ。困っている事があるなら力になりたい。君の言葉で、何があったのか話してくれないか?」

ルーベライトはゆっくりと顔を上げる。

アレキサンドライトの深緑の瞳が真っ直ぐ自分を見つめていた。

その視線から目を逸らし、重い口を開いた。

「……お兄様の言う通りです」

小さな声で、彼女は続ける。

「以前、私に良くしていただいた方と似ていたんです。その方を見て驚いて、後を追いかけました。軽率な行動だったと自覚しています。ご迷惑をかけてしまい、申し訳ありませんでした」

深々と頭を下げるルーベライト。

煮え切らない返答に、アレキサンドライトとセラフィナイトは顔を見合わせた。

「ラズライトは貴国一番の同盟国だと自負している。仇なす敵も同じだ。我が国が、ましてや軍人でもないルーベがシャーマナイトに通じているはずがないだろう」

もっともな意見だった。

セラフィナイトはアレキサンドライトに返答を求める。

「……ルーベ、本当なんだな?」

少し間を空け、ルーベライトは頷いた。

最後まで自分の目を見てくれなかった事に、アレキサンドライトは物悲しさを感じた。

席を立つアイオライトとルーベライトを近くにいた兵に任せ、二人になった会議室でセラフィナイトは尋ねた。

「どう思われますか?」

「何かあるのは確かだが、これ以上彼女を追求しても答えは同じだろう」

「この緊迫した状況で、士気に関わらなければ良いのですが……」

結局あの時、ルーベライトの一件のせいでプラチナ一行を追えずにいた。

自分の命令もせいもあったが、その事がきっかけで騎兵団の中でも少なからずわだかまりが生じているのはアレキサンドライトも気付いていた。

自分自身、プラチナにまだ答えを出せていない。

協定の返答の期日が近付いていた。

少し考えた後、アレキサンドライトは会議室を出て後を追った。

足早に急げば、彼らの姿はすぐに見つける事ができた。

「アイオライト」

呼べば歩みを止め、振り向いてくれた。

「二人で話がしたい」

隣のルーベライトが不安そうにしていたのに大丈夫だと答え、アイオライトは応じてくれた。

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