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悪役三人娘  作者: 浮遊感
3/8

3話

私立白鳥女学院、名の通り女子だらけの学校。

その学院でトップに立つのが(わたくし)伊集院麗奈(いじゅういんれいな)神楽坂栞(かぐらざかしおり)ちゃん....いや今は様と言っておきましょうか。最後にこの学院の理事長の孫、白鳥鈴子(しらとりすずこ)様。

年上である中等科、高等科のお姉さま方も皆私達には頭が上がりませんの。一目見ただけでも頭を下げてきますわ、あまり良い気はしないのだけれど取りあえず受け取っておくことにしてますの。


私達3人は幼稚舎のころからのお友達で、大親友と称してもいいと思ってますわ。いわゆる、幼馴染ってやつですの。学院の者がいないところでは「様」付けではなくって「ちゃん」付けで呼んでいたり呼びすてで呼んでいますわ。立場上は私が一番上ですけれど、そんなの関係ありませんもの。お友達はお友達。そんな所では差別みたいなものをしたくありませんわ。もちろん、学院でお友達ではない方々にはあまり親しい様にお呼びしませんけれど。私たちを取り巻く方々で、特別仲が良かったりする子は「ちゃん」づけで呼んでいますわ。



「麗奈ぁ、何するの?」


「私は特にこれといって無いわよ、栞ちゃんは何がしたいのかしら?」



今は栞ちゃんの家で鈴子ちゃんと一緒に来ていた。

いつものように、特にプランは決めず、和菓子や洋菓子を持ち寄ってそれを食べてお喋り。いつもなら、そう、いつもならばこのままお喋りをしてそのまま解散。という形になるのですけれども今日はどうやら違うみたいね。

それまで黙っていた鈴子ちゃんが口を開いた




「私、山吹学園へ行ってみたいの!」



はむ、と鈴子ちゃんが持参した和菓子を口に入れるともぐもぐと口を動かし始めた。ちなみに2人とも学院では私の様なお嬢様口調ですけれど、本当はこんな口調なのですわ。栞ちゃんは見た目が、ちょっと大人びた小学生で服装もお姉さんみたいな、ロックな雰囲気を出す服を着ている。見た目と口調はミスマッチしている栞ちゃん。鈴子ちゃんは見た目こそ和風美人、家柄も伝統的な和風のお家。本当の口調は明るいような、活発な口調なのですけれど....。性格について学院ではおしとやかな子を演じていらっしゃいますが、本当は好奇心旺盛で明るい女の子。

私は本当に一般的に言われるお嬢様口調ですし、見た目もフランス人形見たいとよく言われる位のお嬢様。ちなみに顔の整いには自信があります。フランス人形は、多分顔立ちも入っているのでしょうね。後の2人も顔は整っていますわ




そのせいか学院で私たちを取り巻く人たちは女の子達だけではなく、男の子たちも交じっていたりしますの。嫉妬なんか出来ないのでしょうね、一度鈴子ちゃんの靴箱に悪戯があったのですが、取り巻く方々....取り巻きの方々が犯人を捜し出して懲らしめていましたもの。

もちろん私と栞ちゃんもその犯人の方にお会いしましたわ。もしかしたらの為に鈴子ちゃんは連れて行っていませんわ。私たちの顔を見た瞬間犯人の女の子は顔を青ざめさせて必死に命乞いのようなものをしてきましたけれど、許すわけにはいきませんでしたから。

数日後そのお方は転校したと風の噂耳に入ってきましたわ。



鈴子ちゃんの爆弾発言に、私たちはほんの一瞬硬直いたしましたけれど、すぐに首を横に振りながら拒否を意味しました




「い、嫌に決まってんじゃん。あんなとこ....」


「そうですわ、鈴子ちゃん。先日偶然にも会った時は寒気がしましたもの」



「私も、もちろん拒否感はあるけどね?行ってみたくない?」



コテン、と首をかしげながら私を見てくる鈴子ちゃんに思わず顔をしかめてしまって鈴子ちゃんに謝らせた。



「ないわよ、鈴子ちゃんも見たじゃないの?妹のノートを......」


「見たけどね?あれが全てとは限らないんだよ、麗奈ちゃん」



私の妹のノート、それは今は亡き妹が使っていた机から出てきたノートのことでありそれを見た私は電気が体中に走ったかのような衝撃を受けた。そこに書いていたのは、今は私達が最も嫌っている私立山吹学園のこと。

その山吹学園の生徒会などのこと、そしてこの世界のことが。当時発見した私は7歳だったからあまり言葉の意味を理解してませんでしたけれど辞書を引いて調べたりと。

そして私は思いましたの




私の妹は未来予知が出来るのね




ノートには、未来で起こるであろうことが全て書かれていた。妹は凄いわ!どうして死んでしまったのか....自殺してしまったのか分かりませんわ。こんなに凄い能力をお持ちでしたのに

そこには何故か私たちのことが書かれていたりしていましたの




妹が生まれて、3歳までの時はまだ愛らしくて純粋で、私は大好きでしたの。でも4歳の誕生日の時からそれまでの愛らしさはすべて消えてしまいました。大人びたような発想をしましたし、性格も一変いたしました。「あのくもは、なにあじ~?」とキラキラした目で私に問いかけてきた目はどこに行きましたの?と当時の私は思いました


決して寂しくはなかったのよ!




その時から私は妹に若干苦手意識を持ち始めていましたの。お部屋の近くを通りますと、ドアが開いていましてそのせいでお部屋の中の音は漏れて、妹の声が聞こえてきましたの。「うわうわうわ、どうしよう....」どう考えても4歳児が言うような言葉ではないような言葉ばかり.....





私が6歳の時、妹は家の屋上から飛び降りましたわ。一家全員で悲しみの雨、そこから私は一人っ子状態でしたの、正直苦手でしたけど寂しかったんですわ。7歳になってあのノートを見て衝撃を覚え、今に至りますの



今はそのノートの持ち主は私ですわ、ノートには「これを見つけたら、麗奈お姉様が持つように」と丁寧に書かれていましたから。それはもう4歳児が書くような字ではありませんでしたわ

私よりも綺麗で、驚いたもの



「......それでも、私は怖いもの。絶対に行きませんわ!!」



「もう、麗奈ちゃんって意外と頑固だよね。じゃあまた今度いこっか」



鈴子ちゃんには申し訳なかったわ、正直。

また今度いこっか、は絶対来ないと知っておきながらも鈴子ちゃんはそう言った。少なからずまだ行きたいと思っている証拠ね。私も考えておきますわ



お互いに眉を下げていると、栞ちゃんが「ほら、しょんぼりしないの」と励ますようにそう言ってくれた。やっぱり持つべき友はいい友達ですわね。大好きよ

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