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悪役三人娘  作者: 浮遊感
2/8

2話

今回も主人公目線ではありません、次話では必ず主人公目線にします。

 突然ですけれど、西園寺香恋の話をしよう。

 西園寺香恋とは私のことである。うん当たり前

 

 ちょっと頭おかしいんじゃない?とかは言う人は放っておいて、言ってしまうと私は転生したのである。前世の人生は呆気なく終了した。それはもう唐突に。前世ではまっていた乙女ゲームの第2弾が発売されたということで即買いに行った私は家に着くまでの帰り道に車にひかれた。ちゃんと信号は青になってたから私は悪くないと思う、きっと。

 記憶が戻った時「わー、お金持ちに転生してるじゃん。ハッピライフー!!!」とか心の中ではしゃいでいたけど私をどん底に落としたのは7歳の誕生日のころだったか。とある攻略対象キャラを見てここがあのゲームの世界であることに気がついたのだ。そして私が”悪役我儘お嬢様”ということにも。

 

 いや、なんとなーく名前が同じだし雰囲気も似てたし気付いてたけど。現実として受け止めたくなかったというか....。

 西園寺香恋は日本三大会社(にほんさんだいかいしゃ)の1つを父親が営んでいて財閥の一人娘だ。親からも甘やかされて育ったせいか、我儘になりイケメンは私の物よーきゃっきゃうふふな脳内をお持ちだったりする。西園寺香恋をまとめ上げると性悪女になる。ひええ、恐れ入ります!

 

 

 ゲームではアタックしまくっていた生徒会には、各ルートで攻略するキャラに会社を潰され一家崩壊。そんな人生は嫌だ、せっかくお金持ちに転生できたのにあと何年かでそれが消え去るなんて。それに主人公はとってもかわいくて、そんな子を虐めるなんて私には到底できないこと。清くいい子に生きることに決めました。けれど見た目がまさに悪役。どんどん増えて行く取り巻きたち、もちろん取り巻きでも仲がいい子はいるけれど

 

 

 そのせいで私は特待生達に脅えられていたりする、もちろん他のお嬢様方にも

 

 

 

 

 遂にはこんな呼び名までついていた。

 

 

 

 

 

 

『山吹学園の女帝(じょてい)

 

 

 

 

 本当やめてください。

 人を見た目で判断するんじゃないよ!!

 

 

 

 

 本当にフラグが立って行きそうなのでとりあえず主人公の味方ポジションに立ち、主人公に嫉妬の飛び火が向かわないように女子をまとめあげた。そして仕上げに生徒会には関わらぬよう、関わらないといけないなら必要最低限に喋らないようにしていた。すると嬉しいことにあっという間に1年は終わり生徒会長は3年生になった。他の役員は2年に、私も2年に、主人公も2年に。ゲームでは1年だけでかなり短いと思うがその分ストーリーが濃かったりする。

 

 

 なので無事1年が終わった、そう安心したのもつかの間。そういや第2弾が出ていたような、確か西園寺香恋が転校して学園が平和になった....と思ったらまさかのまたライバルキャラ出現!?みたいな感じだった。基本ライバルキャラは一人だったのだけれど、第2弾では増えるらしいかった。確かに西園寺香恋だけ不純だったもんねぇ

 

 

 

 でも私が転校しなかったせいか、彼女等はやってこなかったようだ。

 

 

 ついでに付け足しておこう、主人公である美香ちゃんは生徒会長ルートだった。予想はしてたけど。予想外だったのが他の役員が恋愛感情を持っていなかった。良い友人で終わってて、若干がっかりしたり

 

 

 

 

 2年生になって早数カ月がたった初夏の日。

 副会長からのお呼び出しがあった、あれ、私何か悪いことしたのか。まさか一家崩壊の原作方向に行くのか!?やだやだやだ、と必死に抵抗したけど行かない方が酷くなるんじゃ....あの副会長ならやりかねん、よし行こう。ということで行ってみると

 

 

 

 

 

 

「....ずっと前から好きでした、西園寺香恋さん」

 

 

 

「は.....?」

 

 

 

 

 な ん か 告 白 さ れ た

 

 

 

 

 

 なんか顔赤くしちゃってるよ、女々しいんだけど。照れてるんだけど、こっちも照れるじゃないかおい。

 

 

 

 

「え、えっと.....」

 

 

 考えさせて下さい、そう言おうとしたら俯きがちだった副会長の顔がバッと前を向いた。その目は真剣そのもので何と言っていいか分からなくなってしまった。すると痺れを切らしたのか、

 

 

「今すぐ返事を返して下さい!!断っても恨みませんから」

 

 

 

 いやいや、恨まないのが当り前だろうよ。

 

 

 

「.....お友達からなら、大丈夫ですわよ」

 

 

「!!」

 

 

 

 その日から私と副会長はお友達になった。

 その日から明らかに分かるような副会長のアタックが始まった。

 悪役のフラグはへし折ってやったりー!と思っていたのがいけなかったのか、別のフラグを立ててたよ。お隣で繰り広げられる甘甘とは行かないけど、いちゃいちゃする美香ちゃんと生徒会長。アタックされまくる私にアタックする副会長。完全空気な他の攻略対象キャラ達。でもこれはこれで平和だから良いのかな、と思っていた。

 

 

 

 とある話を聞くまで。

 

 

 

 

 お父様とお母様が夜なんてないことを口にしたかのように軽く言った言葉に衝撃を受けた

 

 

 

「白鳥女学院の初等科3人のお嬢様方が香恋のお誕生日パーティに来てくれるそうよ」

 

 

「そうか、それはよかった。なんたってその3人は伊集院家(いじゅういんけ)白鳥家(しらとりけ)神楽坂家(かぐらざかけ)の娘さんだろう?」

 

 

 

 

 

 確かに、その家の名前は聞いたことがあった。

 第2弾で西園寺香恋の代わりとしてやってくる悪役の家の名前だからだ。しかも全員長女のはず、詳しく調べていた私は知っているぞ。なら何故、初等科....小学生?

 

 

 カラン、と持っていたナイフトフォークを机の上に落としてしまった

 

 


主人公は名前だけ出しておきました

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