第二話
嗚呼…寒い。
悪寒がする。
「へっくち!…風邪…引いたかな…」
只今、PM7:30
―――――プルルルル
携帯が鳴った。
携帯の画面を見ると、「着信 お兄ちゃん」の文字。
―――――ピッ
私は携帯を耳から少し離れた位置に持って、通話ボタンを押した。
「おそぉぉぉぉぉぉぉおおおおおいっ!!!」
案の定、お兄ちゃんの怒声が鳴り響く。
病院から出てて良かった…。
「ごめんね、お兄ちゃん。もう少ししたら帰るから」
「待て、こんなに遅い時間なんだ。俺が迎えにい「大丈夫、一人で帰れるから。お兄ちゃんは家で待ってて」おい!さk(ブツッ
―――――ツーッツーッツーッ
私は強引に電話を切った。
今は一人にしてほしい。
なぜなら、今日は只百合のお見舞いに来たわけじゃない。
今日は、百合が事故に遭って丁度二年。
私にとって一番嫌いな日。
だからお願い。一人にして。
明日からはまた、いつも通り笑って見せるから。
だから…今日は一人で泣かせて…。
でも、そんな私の小さな願いも打ち砕かれた。
男1「あっれー?おねぇちゃん一人?」
男2「俺たちと一緒に遊ばない?」
男3「って、泣いてんじゃーん。どーしたの?彼氏と別れちゃった?」
知らない男が三人ほど、私に話しかけてきた。
お願いだからほっといて。
私を一人にして。
けれど、私のそんな思いとは裏腹に、男三人は私に話しかけてくる。
男1「無視かよ、おねぇちゃん」
男2「まぁ、いいから俺たちについてきなよ」
男3「慰めてあげるからSA☆」
男たちは、ふざけた態度で言う。
お願い。
「…ないで」
男2「え?」
「来ないで!私に…私に近寄らないで!」
私は叫ぶと、男たちの間を抜けてその場を去ろうとした。
でも
―――――ガシッ
男が私の腕を掴んだ。
離して…。
「離して」
男3「おいおい、冗談きついって」
冗談?
私が…?
言うわけないでしょ?
冗談はあなたたち。
男1「さ、俺たちと行くぞ」
こうなったら、強硬手段。
私はそう思って、男たちを振り払おうとした。
けど、力が入らない。
体が重い。
完全に風邪を引いた。
こんな時に…こんな時に!
男3「さぁ、行こうz「ぎゃぁぁああっっ!」何だ!!?]
突然、悲痛な叫びが聞こえた。
私はそちらを向いた。
そこには、男1と、そいつの腕を捻り上げる、別の男の姿があった。
すみません…何か暗いですね。
明るくするように努力します。