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14話 「案外、サリー様の姉になるのも悪くないかもしれませんね」

ラストです

楽しそうに話す人々。その中心には私がいる。前の私だったら考えられない事だったけれど、今となったらこれもありかと思っている自分がいる。


「だーかーら!エルシアちゃんは僕と踊るの!」

「エルシアは僕と踊るんだよね?」

「お兄様達は後にしてください!先に私がエルーとお茶をするんです!」

「いいえ!私とエルーちゃんが沢山お話をするのよ!」


…けど、そこまで大げさにしなくてもいいんじゃないかしら。


私は両耳を塞いで真ん中に立つ。兄様とフレイアル殿下は少し離れた所で何か話している。城内の人達はそんな私達の姿を微笑ましく眺めている。…正直言って恥ずかしいのよ!!お願いだから騒がないで!私はこっそりとその輪から抜け出すと兄様とフレイアル殿下の傍に行く。


「兄様、フレイアル殿下」

「ん?抜け出してきたのか?」

「ええ。先程から何を話しているのですか?」

「…秘密だ」


兄様はニヤニヤしてフレイアル殿下はそう言って教えてくれなかった。


「フレイアル殿下は兄様とお話していて楽しいのですか?」

「ああ。話は合うしな」

「俺としても楽しいよ」


兄様はくくくと笑ってフレイアル殿下の肩に手を置いた。兄様はどうやらフレイアル殿下を気に入ったみたい。


「それでエルシア。あれはどうするんだ」


兄様が向けた視線の先にはまだ言い争っている四人。どうすると言われても…


「放っておくしかないでしょう?」

「いいのか?まぁ俺はいいけどな。フレア、食うぞ」

「あ、兄様、何で名前で呼んでいるんですか!一応庶民として通すんですからフレイアル(・・・・・)殿下(・・)です」

「いーじゃねーか。本人がいいと言ってるんだぞ?なんならお前も呼べ」


強制ですか!私は兄様の言葉を聞いて溜息をついた。


「取り敢えず、皆の前ではフレイアル殿下。もしくはフレイアル。愛称で呼ばないと約束しなさい。いいですね?」

「えー」

「いいですね?」

「…はい」

「これじゃあどっちが年上か分からないな」


フレイアル殿下が苦笑しながら言った。…まぁ私も思った事があるわ。この人は本当に私の兄かと。


「あ!エルーちゃーん!!何抜け出してるの!?フレア!あんた誘いたいんなら正々堂々戦いなさい!!!!」

「は、母上!ち、違うぞエルシア!俺は断じてそんな事は」

「え?思って下さってないのですか?」


それはそれで悲しいな。なんて事を思っていたらフレイアル殿下がオロオロし始めた。…はじめとキャラが違いすぎませんかね?私は微笑んで言った。


「嘘です。分かってますよ。王妃様もからかわないであげて下さい」

「あら。私はからかってなどいないわよ?エルーを独り占めするのが悪いんですもの!」

「そうは言いましてもここにいるのは私の意思ですよ。王妃様。お茶でもしながら話しましょう。サリー様も」

「「ええ!」」


二人は満面の笑みでそう答えると、私の近くによってきた。そしてそれを、私は微笑んで受け入れた。







私は面倒毎が嫌いだ。


それは今も変わらない。


変わったもの。


それは、心。


私の心が、暖かさを取り戻した。


そして……愛という感情も芽生えた。


















「サリー様、この前、大事な人はいないかとお聞きしましたよね?」

「ええ」

「あれは嘘です。私には心から大事に思っている人がおりますよ。勿論、異性という意味です」


私が言うとサリー様は目を輝かせる。


「案外、サリー様の姉になるのも悪くないかもしれませんね」


私はそう言って微笑んだ。


視線の先にはクールながらも時々見せる優しい笑顔が素敵な方。


サリー様は私の視線の先に気づき、キャーッと声を上げた。

直ぐさま、王妃様に報告。同じく王妃様もキャーと声を上げる。



その数年後、国王となったあの方と笑顔で皆から祝福を受けたのは別のお話。

ラスト…だと思います。


もし分からなければ後日、また続編を書こうかと。

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