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セーブデータ  作者: ゆとり
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石田典夫編

<<石田典夫編>>


みなさんはじめまして石田典夫と申します。

「のりお」と呼ばれてしまうのですが読み方は「ふみお」です。

まぁ友人からはノリオと呼ばれていますが。


「・・・俺は誰に自己紹介をしているんだ」

落ち着け!今自分に起こっている出来事を理解するんだ!


ノリオは興奮していた。高揚する気持ちを抑えられないのと多少の恐怖。



現在の時刻―――8月11日23時11分



時間は遡り「2日前」のこと。

8月11日の朝ノリオこと典夫は目覚める。

ノリオは三流大学の3年生。

スペック・・・

顔→イケメンではないがブサイクでもない

頭→悪くないが良くもない

金→バイトはしているがギャンブルが好きで毎月財布はギリギリ


まぁそこらへんの大学生である。

3年生の前期だが取得単位数がギリギリなので朝から学校に行かねばならない。

めんどくせえ・・そう思いながら体を起こす。


一人暮らしだが学校近辺の貸家は家賃が高いので少し離れた所に住んでいた。

この辺りは割と栄えている。登校の間も出勤していくサラリーマンや学生にたくさんすれ違う。


ぼーっとしながら歩いていると声をかけられた。


「お兄さん大学生ですか?」


街頭アンケートか何かか・・胡散臭いスーツを着た男だった


「すいません少し急いでますので・・・」


「いえ、お時間は取らせませんよ!お使いの携帯はなんですか?」


「えーっとIPhoneですけど・・・」


はあ・・・押しに弱いな俺は。めんどくさいと思いながらも答えてしまう


「そうでしたか!実は今我が社が開発したアプリを実験的に皆様に使っていただいているんです!つまらなかったら削除していただいてよろしいので是非!」


「はあ・・いいですけど」


いいと言わなければ引き下がらなそうだったので言われた通りに渡された紙のURLに飛ぶ。


「面白いと思ったら感想をお聞かせください!こちら名刺なので」


はいはいわかりましたと空返事しながら男から解放される。

授業遅刻じゃねえかよ・・・急ぎ足で学校に向かう。


学校についた頃にはさっきの出来事は忘れていた。

何事もなくいつも通りに授業が終わり直ぐ様帰宅。暇だしパチ屋でも行くか


・・・朝の自分に戻りたい

こっぴどく負けて晩飯を買って帰る。

ううう・・・給料日まで2週間あんのにどうすんだよーー!!と後悔しながらベッドに倒れ込む。


ふと朝の出来事を思い出す。

面白いアプリだったら気晴らしくらいにはなるかな、そんな程度だった。


アプリを開く・・・アプリの名前は「人生のRPG」ネーミングセンスねえなwwと思いながら起動する

どうやって遊ぶんだ?読むのがめんどくさい利用規約は読むのを飛ばす。


【このアプリは文字通りあなたの人生をRPGにしてしまうアプリです。RPGと言ってもモンスターがでるわけではありませんがあなたの人生に「セーブ」と「ロード」機能が付きます】


・・・バカバカしい

アプリには「セーブ」と「ロード」というボタンだけ。

は?ふざけてんの?と思いながらも「セーブ」ボタンを押す。


―――一瞬頭が痛くなった気がした

なんだ今の?とは思ったがなんだこのくそアプリとすぐ寝てしまった。


そして2日後。

授業がないので朝からパチ屋に並ぶ。今日負ければ生きていけない・・!

結果は惨敗。残り10日あまりを2000円で過ごさなければならなくなった。


只今の時刻―――8月13日20時58分


うわああ!後悔しても時間と金は戻らない。晩飯を購入して帰宅する。今日は貧相にカップ麺にした。

カップ麺にお湯を入れて待つ間何気なくこの間のくそアプリを開いてみる。ロードか・・・本当にロードできるならしてえよ!ロードボタンを押した。


目の前が・・・歪む。

頭痛と軽い吐き気が襲う。


な・・んだ・・・!?


少しづつ頭痛が治まる。


なんだったんだよ今のは・・・。


そして違和感を覚える。お湯を入れておいたカップ麺が・・・ない。

よく見ると部屋にあったものの配置が違う。


まさか・・・!?時刻を見る



―――8月11日23時11分


そして話は冒頭に戻る。

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