西の魔王、魔王を辞める?!
魔王、それは幾千年もの月日が流れても、人類に恐れられる存在。
北の魔王 ステラ、東の魔王 ブラット、南の魔王 シュトル、西の魔王 リオネ。
それがこの世界に、4体もの恐ろしき魔王が実在している。
その中でも、特にひときわ目立つ考えを持つ西の魔王"リオネ"が、人類と他の魔王に対して。
ある大胆な行動を起こそうとしていた。
—————————————————————————
————西の国、中央大広場。
「皆の者、よく集まってくれた!」
「リオネ様、今度は何をなさるんでしょうか」
「また、害獣の駆除や水路の拡張とかじゃないのか?」
「まぁ、リオネ様のことなら言いそうだけどね」
「「「ハハハハハハっ」」」
「今回皆を呼び出したのは駆除や街の整備、隣国の進撃作戦という簡単な話ではなく」
「今日俺は……"魔王を辞めようと思う!"」
「「「………………」」」
先ほどまで騒ぎ立てていた軍兵、民衆達は、なぜか沈黙した。
んん?、なぜ黙るんだ、、皆どうして驚いた表情をしているんだ…???
「リ、リオネ様お願いします!。軟弱の我々をどうか見捨てないでください!リオネ様!!!」
ある一人の民衆が、声を震えだしながら俺名前を連呼しながら、深々と懇願をし始めた。
そして、これに釣られていったのか。
周りにいた魔物達も一斉に、俺に向かって懇願をはじめる。
「ごめんなさいごめんなさい、私たちが弱すぎたからですよね」
「どうかどうか、ずっとここ頂点に君臨していてください!」
「自分たちリオネ様の導きがないと、生きていけません!」
リオネ様は軽く「魔王を辞める」とおっしゃいましたが、それはこの国の滅亡を意味しています。
リオネ様がいなくなれば、国機能がしなくなる。
リオネ様が消えれば。政治機能、指揮機能、国の主要機能が停止してしまう。
つまり、我らに争いでとって死ぬよりも、恐ろしい発言なのです。
もちろん、普通はこれに対して、過激な反抗を見せてくる者は、必ず出てきると思いますが。
さすが我らのリオネ様と言ったところですね。
魔王を辞めると言った途端、民衆は力ではなく、言葉だけでリオネ様を引き止めるとは。
それほどまで、国全体の魔族に好かれ、絶大な信用を誇られているということですね。本当に素敵です。
「・が?・・あ?・け?・まめ?」
おっとどうやら、感動の余韻に浸っている時間は無さそうですね……。
私は脳の思考が静止したリオネ様を再起動させるため、先ほどの発言を別の発言にするように耳元でささやきました。
「リオネ様。これだと、民衆達は勘違いしてしまいます」
「え、、あっ?、"ルツ?"。……最初にお前がそう言えって……」
「はい、そうでございますが。ここは事態を抑えるため、こう訂正をしていただきたいのです」
「うん、うん、分かった。今度こそは、大丈夫だろうな?」
「はい、大丈夫かと」
「皆の者!少し落ち着いて欲しい!!!」
「「「・・・・・」」」
「俺の言い方が悪かった、すまない。
魔王を辞める、そう言っても一時的なものだ。
皆の願いどうり、ずっとこの国の魔王で君臨し続けると約束するし、俺が死ぬまで皆をちゃんと導く。
もちろん俺がいない間でも、皆の安全を保証するし、代わりの指導者も用意する。
てか、もう決めてある……。
"ヴァイアー"!、お前が今から臨時の魔王だ!」
「…………???、僕がですか!?」
「そうだ!お前が魔王だ!。
この25年間、この国のために臨戦で軍を指揮し、体を負傷し、仕事が無くなった民衆にも、個人に適した仕事を与えてくれた。
これほどまでに完璧な代役は、俺はいないと思っている!」
中央広場にいる10万と1700人を超える魔物と地方で放送を聴いている280万と4900もの超える魔物が、一斉に歓喜の雄たけびをあげた。
「「「「「うぉぉぉぉぉ!!!」」」」」
「本当に良かった。リオネ様、正式に辞めなくて」
「しかも代理魔王、ヴァイアー軍指揮官らしいぞ!」
「「「ヴァイアー万歳!、ヴァイアー万歳!」」」
「ぐっ、うぐ。公衆の前で僕を直々に指名していただきありがとうございます」
「ここで泣くな。これは真面目なお前が一から練り上げてきた、お前だけの成果だ。
俺も皆同じく、信頼できるし、心強いとも思っている。後は頼んだぞ!」
ヴァイアーは、今にも溢れ流しそうな涙を硬い笑顔で堪えながら、俺に深く礼をして、側近のいる背後へと下がって行った。
「リオネ様ー、一つ質問が。
リオネ様は魔王を一時的に離れた時、リオネ様はなにかの作戦を実行するということですか?」
ある一人が、そう質問してきた。
「よくぞ質問してくれた!。今回皆を呼んだ理由はここにあり!、この国の未来を決めると言っても過言ではない作戦だ!」
「「「おおおお!」」」
「俺は以前この国、そして魔王になった時。
皆にこう誓ったはずだ、「この国の大陸を全て一つにし、人間と魔物が共存できる世界を作りあげる」と。
そして今回、それを可能にできるかもしれない作戦を一晩で練り上げてきた、そう」
"「俺は、この大陸で俺のショップを開こうと思う!」"
「「「おおお、んお?」」」
ここは盛り上がる場面なのだが、皆の反応はどうしてか微妙だった。
「皆イマイチ、ピンときていないようだが。
これは単なる店開きではないぞ、俺は全大陸に店を作り。経済、人望でこの大陸を支配しようと考えている。
それに、闘いを好む俺が、嫌いな争いをなるべく避けて実行できる案でもあり、皆を傷つけないで遂行できる、平和な作戦だとも言える、これぞ完璧な作戦!
そして、俺の相棒である"ルツ"の2人だけで、この作戦を完璧に成功させて、この大陸を手に入れてみせよう!
皆!良い報告を楽しみに待っておれぇ!!!」
「「「おおおおおおっ!!!」」」
こうして魔王リオネのショップ展開大作戦は、この世界の奇跡と共に、最初の火蓋が切られたのであった。
なんとなく想像してみました。
不定期かもしれませんが、次回もまた見ていただけたら嬉しいです(╹◡╹)。




