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カオス系

邪神・ワカメスパイダーをたおタオせ! 〜勇気は力!夕食はちくわ!〜 【おまけ】人参の親子はそれなりに楽しそう

作者: 七宝

 僕の名前はフルーティン。色黒のバナナさ。皮を剥くと中はピンク色になっている、ちょっと特殊な個体だ。


 フルネームはフルーティン・ティン。あだ名はフルティンだ。身長は30cm。好きな食べ物はバッタだよ。


 今日は久しぶりに学校に行こうと思うんだ。僕、こう見えて大学生なんだよね。今年の4月に入学したんだけど、通学手段がなくてずっと行ってなかったんだ。

 でも、昨日ペガサスを倒した時に飛べるアイテムをゲットしたんだ。確かパッケージに名前が書いてあったはず⋯⋯あ、値段も書いてある。『かぼちゃ』198円だって。


 それにしても、かぼちゃで空を飛ぶことになるとは夢にも思わなかったなぁ。見た目は普通に薄切りの、天ぷら用に切った感じのやつだね。羽根と言われれば羽根かも。多分ペガサスは予備として持ってたんだろうね。


 ということで装着して、家から飛び立ったよ。学校までは6駅分移動しなきゃなんない。

 いやぁ、空から見る景色は格別だねぇ。せかせかと通勤通学するみんなを見下ろしながら、ギチギチの満員電車の上を滑空する。これが通学じゃなかったらお酒飲んでるとこだよ。


「おーい、フルティン〜!」


 どこかから僕を呼ぶ声が聞こえる。この声は確か⋯⋯。


「俺だよ俺〜」


 同じゼミのちくわ(=()()())くんだ!


「ちくわくんもこの道なのかい?」


「んなわけねーだろ! 死ね!」


 ちくわくんは僕を10回ビンタした後、穴から巨大な串を出現させ、僕に向かって投げた。慣れない飛行中だったのでモロに食らってしまい、串刺し状態になった。


 あー。


 鳥ってこんな気分なんだろうなぁ。

 でもこれ、雨だと大変そうだな⋯⋯。


「ママー! チンポがお空飛んでるー!」


 可愛らしい声が聞こえたので思わず地上に目をやると、5歳くらいの女の子が僕を指さしてヌバヌバ笑っていた。僕を見つけたお母さんは手を合わせて何か唱え始めた。


「旦那が死にますように旦那が死にますように旦那が死にますように」


 流れ星じゃないっての!


 あー、それにしても地上より暑いなぁ。ちょっと降りようかな。


 かぼちゃを取り外すと、なぜかその場で自由落下が始まった。こんな所から落ちたら死んじゃうよ!


 お父さんお母さん、弟と妹、親戚のヤッピチおじさん、1回もお年玉をくれたことがないユワユワお兄ちゃん、ポチ、今までありがとう。僕を生んでくれてありがとう。先立つ不幸をお許しくだsっ!!!!!!


 痛っ! どっかに落ちた! でも柔らかいから助かった! ⋯⋯なんだこれ、息が出来ない! 真っ暗だ! なんだここ! 助けてくれぇー!


 っぷは! 何とか顔が出た⋯⋯


 クッサ!!!! クッサクッサクッサァア!!!!!!!!!!


 ここ、肥溜めじゃないか! 助かったことは助かったけど、臭すぎる! こんなのもうお嫁にいけないよ⋯⋯しくしく。


「あーっ! チョコバナナはっけーん!」


 可愛らしい声のする方を見てみると、5歳くらいの女の子がこっちを指さしてヌバヌバ笑っていた。ってさっきの子じゃないか! ヌバヌバ笑う子なんて世界中探してもこの子しかいないんだから!


「わーいいただきまーす!」


 ヌバヌバ笑いながらペタペタ走ってくる! せっかく助かったのに、食べられたら死んじゃうよ!


「マナちゃん、それチョコバナナじゃないわよ」


 ヌバのお母さんナイス! そう、僕はチョコバナナじゃないんだよ! だから食べないでね!


「うんちを(まと)った流れ星よ」


 流れ星じゃないっての!


 あー、こんなびっちゃびちゃでクッサクサになっちゃってもう⋯⋯脱いじゃうか。でも中のピンク色の肉の状態で街を歩いてると通報されるんだよなぁ。


 ええい! 背に腹はかえられぬ! ぬぎぬぎっ! ボロンッ! ギンッ!


「ママー! チョコバナナが魚肉ソーセージになったよ! しゅごい!」


 さっきのヌバ子が目をキラキラさせてこちらを見ている。仲間にしてあげますか?


 ▶する  しない


「ナカマニナレ⋯⋯ナカマニナレ⋯⋯」


「えっ、このチンポしゃべってる!?」


「流れ星よ! 何度言ったら分かるのよこの子ったらもう!」


 なんで僕流れ星って言われてるんだっけ。もう忘れちゃったよ。


「旦那が死にますように旦那が死にますように旦那が死にますように」


 だから違うって!

 ていうか旦那さんなにしたの。


 と、背後から邪悪な気配がした。振り返ってみると、さっき僕が脱いだ皮がうねうね動き出していて、どんどん街の大気から闇パワーを取り入れているようだった。


 やがて皮は8又になり、深緑色に落ち着いた。


「我は邪神ワカメスパイダー。我を呼んだのは貴様か、女よ」


 ワカメスパイダー⋯⋯? 食えるの?


「ええ、私よ」


 ということは、今からこのワカメスパイダーがこの人の旦那さんを殺しに行くってこと?


 ご苦労なこったね。


 さて、もうこんな時間だ。大学までテレポートするか!(「だったら最初から使えよ!交通手段がなかったから学校行ってなかったって言ってただろ!」って思うじゃん? 作者も思ってるよ。気が合いそうだね。今度飲みにでも行こうか。決まりね。来週コンポタデートね。ガボガボ飲もうね)


 久しぶりの学校は空気が美味いなぁ。CoCo壱の裏みたいな匂いがする。でもどうせなら鰻屋の表の匂いが良かったな。


 1限は怪談だから、エアコンホールだな。


 説明しよう! エアコンホールとは、この大学で最も大きな部屋で、収容人数も1番多いお部屋なのだ! 名前の由来はエアコンが設置してあるからだ!


 トイレのためにだけ寄る公園のこと『トイレの公園』って呼んだりするだろ。それと同じノリだよ。どこの部屋にもエアコンついてるよ。でも、どこの公園にもだいたいトイレあるけど、全部のことトイレの公園って呼ばないだろ? なんなんだよこの話。


 席についておててをお膝の上に置いて、中村先生を待つ。


 あと6分。


 あと5分58秒。


 あと1分。


 3、2、1⋯⋯


「ボンジュール!」


 中村先生の登場だ。この人は時間ギリギリにしか来ないが、1度も遅刻したことがないらしい。間に合ったこともないらしい。ピッタリの時間にしか来ないから。


 それにしても中村先生、入学した頃は坊主だったのに、いつの間にか伸びまくって、まるでワカメみたいに⋯⋯あれ? あれ本当に髪の毛?


 次の瞬間、スイカ割りよろしく中村先生の頭部が弾けた。ホール内は阿鼻叫喚。僕もまだ理解が追いつかな追いついた! こいつ、邪神ワカメスパイダーだ! 絶対そうだろ!


「にょはははは、その通りだ勇者よ」


 もしかして、僕の心の声が聞こえているのか!? 笑い方かわいっ!


「か、かわいくないしっ! ⋯⋯で、どうする勇者よ。我を斬るか? 殴るか? 潰すか? 横須賀?」


「港のヨーコ横浜横須賀〜隙あり!!!」ドピュッ!!


「ぎゃああ! なんだこれはァ!」


「僕の頭の穴から発射される猛毒超酸毒毒液はターゲットの親戚ごと溶かす!」


「どんな原理⋯⋯だ⋯⋯」バタン


 ワカメスパイダーはドアを閉めたのか倒れたのかよく分からない曖昧な音を立てて倒れた。まあ、ワカメスパイダーに向きなんてあるのか分かんないけど。


 茶が飲みたい。ふと思った。


 こうして僕は学生全員から強酸チンポと恐れられ、日本初の女性総理になった。日本初のチンポ総理でもある。今までチンポが総理大臣になったことはなかったのだ。


 あと、ボクっ娘キャラの総理大臣も初めてだそうだ。初めてづくしじゃないか。ウホホ。


 なんだこの笑い方。まるでゴリラじゃないか。もしかして僕はゴリラなのか?


 まだ月も出ていないのに、とても明るい夜だった。


 逃げ出したマントヒヒが、世界中に火の雨を降らせているんだ。


 それは赤くてあっつくて、おじさんみたいな臭いがするそうだ。


 こんな日も、年に1回くらいあってもいいよね。


 ね、さかなクン。

でっけー人参と、ち〜せ〜人参。

僕達の知らない愛情がそこにある。


Coming soon...

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