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第0045撃「メタ氏、部屋にベッドがきた!!」の巻


平成3年1991年、4月、中学3年の1学期。

日本の景気が急降下して数ヶ月が経ちつつありました。

3年生となった小生はクラスが2組から4組になりましたが、

担任教師は2年のときと同じ井下先生でほっとしました。

そして、仲の良かった多坂(仮名)とも同じクラスになるよう、

井下先生が取り計らってくれたのでした。

ただ、残念なことに緑谷とは別のクラスになってしまいました。


うれしいような寂しいような複雑な心境で下校すると、

いつもは布団を敷いて寝ていた自分の部屋に、

真新しいベッドと本棚が設置されていました。

「まさか!違う人の家に間違って入ってしまったのか!?」

一瞬、目を疑いました。

しかし、家じたいの内装や家具はそのままだし、

祖母は部屋でテレビを付けているし、

愛犬のぺるは玄関で迎えにきてくれて散々小生を舐めました。


しばらくして帰ってきた母が、

「あんたへの誕生日プレゼントや」と言います。

椅子に座るようにベッドに腰かけ、

布団のようにヨイショ!と気合いを入れずとも、

気楽に起きあがれるこのベッドを小生はたいそう気にいりました。

ベッドの板の下は横に3列引き出しが並んでおり、

いろんな物を収納出来そうです。

小生が通学しているあいだに、

母はマンションの地下のショッピング街のホームセンターで、

ベッドと棚を買っては家まで母自身で運び、

組み立てまで全て完成させてくれていたのでした。


そして、冷凍庫を開けると、なんと!

アイスクリームが入っていました。

食べながらスプーンですくったアイスをぺるにもあげる。

小生とぺるは兄妹のようであり、ときに姉弟のようであり、

動物の種の垣根を超えた最高の親友なのだ。

だから、同じスプーンを使っても何ら平気なのでした。

容器に残ったアイスを小生がぺろりと舌で舐め、

容器をベッドに置いてやるとぺるがぺろぺろと最後まで舐めきり、

ゴキブリや蟻も残念がるほど、

水洗いしなくてもよいくらいぺるは容器を綺麗にするのでした。


        *


事変が勃発したのは体育の授業を終え教室に戻ったときでした。

少しヤンキーの入った屋山(仮名)が突然、

小生の肩甲骨付近をズドンッと殴りつけたのでした。

小生は二発目、三発目を被弾するのを恐れ、

なるべく痛がってみせるのでした。

通学するたびに肩甲骨付近を殴られるのが習慣となりました。

小生はこの頃は何事に対しても自信がなく猫背で、

それがいじめっ子から見るとストレス解消の捌け口の道具にも見えたことでしょう。

「うそやって」と屋山が言い、「おう、ええよ」と小生が赦して返事する。

ヘタレもいいところでそんなだから舐めてかかられ、

顔があうたびに「標的」にされるのでした。


小生は通学が辛くなり、

ますます不登校日が増えるようになりました。

しかし、通学したときは多坂(仮名)や甲村(仮名)と写真部に顔を出し、

下校途中に駄菓子屋へ寄って一時間ほど滞在するのが通例となっていました。


DREAMS COME TRUE「Eyes to me」(1991年)

YouTubeで視聴する https://youtu.be/UQTZQWe53pw?si=LG0ICseCEcxvOnd5


懐かCMを観る1991年③4月

YouTubeで視聴する https://youtu.be/uM7wEo4m_O4?si=3RiRNiw6OPbgzxjK


続くよ。果てしなく続く……。

(まだまだ続くよーっ!お楽しみに〜!)


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