表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/47

第0036撃「ゴンの死んだ日」の巻


平成2年1990年、10月、中学2年の2学期。

「ゴンが死んだよ」

母が姉にあたる、小生にとっての叔母との電話を終えて、

小生と祖母に伝えました。

「ゴンの亡き骸に会いに行くか?」

べつに行かへんよ、と小生は答えました。

「おまえは薄情もんや」

そう言って母は祖母と身支度を整えて、

愛犬のぺるを連れて叔母の家へ出かけました。


小生はひとりで布団に横になり、

ぼーっと天井を眺めてました。

〈もう死んだのだからゴンはいない、

だから亡き骸を見たところでどうにもならへんやろ〉

そんなことを考えてました。

愛犬ゴンはぺるの生みの父親で、

小生が産まれてまもないころ、

母が知人から引き取って家で飼うようになったのでした。


後年に聞いた母の話では、

ゴンは知人に掃除機で殴られていたらしい。

だから、母が家で掃除機をかけ始めると、

よく唸り声をあげてました。

しかし、ゴンは、赤ちゃんである小生を噛むようなことは、

決してありませんでした。

ようやく歩きはじめた小生をゴンは背中に乗せて歩いてくれて、

小生はキャッキャと喜びました。

ゴンは兄のようなつもりで、

小生が育つのを見守ってくれていたのだろうか……。


そんな家族の亡くなったことにちゃんと向き合わなかったことは、

たしかに小生は薄情もんかもしれない……。


小生が小学校受験で忙しくなったころ、

母は叔母宅にゴンを譲ったのですが、

それまでの6年間ほどを

同じ家の空気を吸ってすごした仲でした。

叔母は家で同じ白いトイプードルの雌のメグを飼い始め、

ゴンとメグのあいだにぺるが生まれたというわけでした。

犬だって亡くなれば霊体となって、

しばらくは叔母宅にとどまるかもしれないとは、

その時は考えもしませんでした。


そんな10月も下旬が近づき、

小生の通っていた芝嶋中学(仮名)では、

文化祭で合唱をやろうということになりました。

そして、米米CLUBの「浪漫飛行」を皆んなで歌おう、

ということに決まったのでした。


正直を言うと小生は、

「浪漫飛行」には気がのりませんでした。

あまりにもヒットソングだったので、

流行にただながされているように感じたからでした。

なので歌詞を暗記しようにもなかなか頭に入らない。

放課後、居残りになって練習させられる始末です。

多坂(仮名)も記憶力がにぶいらしく、

多坂と一緒に練習出来たことが、

せめてものモチベーションになりました。


米米CLUB「浪漫飛行」(1990年)

YouTubeで観る https://youtu.be/EX3TRj0_2Ys?si=CP5yM6bSQRxXQ4vr


懐かCMを観る1990年(17)10月

https://youtu.be/y7V7DTwDIHM?si=Nuvr7yTxEpib7GK-


続く。果てしなく続く……。

(まだまだ続くよーっ!お楽しみに〜!)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ