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13皇子の目の前で妻となる女の子をNTRする話

「おい、起きろトド」


 何回か靴で顔を踏んでやると、ようやくセドリック皇子は目を覚ました。


「うーー、うーー」


 全身を拘束され、口には猿轡を嵌められている皇子はぐぐもった声しか発せられない。


 俺はそんな皇子の事をせせら笑いながら、セシルの身体をグッと俺の側に引き寄せ、強引にその唇を奪う。


「ふうーーーっ!」


 その様子を見せつけられた皇子が、激しくもがいた。


 俺はたっぷりと唇の感触を楽しんでから、ぷはっと離した。

 セシルは俺になされるがまま、ただ小刻みに震えている。


「おいトド、今からお前に最高のショーをお見せしよう。

 その特等席で、じっくりと堪能するがいい」


 そう言い放つと、セシルをふかふかのベッドへ押し倒した。


「あっ……」


 そして俺は、セドリック皇子に見せつけるように、荒々しくセシルの全てを奪い取った。



 ーーーーー


(こんなの……やってたん…だ……)


(わたしの……となりで……アリーシャは……)


(こんな……すごいの……)


 ーーーーー


 セドリック皇子は眼前で行われる行為に激しく動揺した。


 何度もぐぐもった声をあげ、拘束を振りほどこうと、手首に血が滲むぐらいもがいたが、きつく結びつけられたロープがほどける事は無かった。


 やがて全てを諦め、荒っぽく蹂躙され続けるセシルをなすすべもなく見つめ続けた。


 幾筋もの涙が、こぼれ落ちていた。


 ーーーーー


 ただ見ていることしか出来ないのは、アリーシャも同様だった。


 荒々しくも、どこか優しい手付きで(なぶ)られ続けるセシルの華奢な身体。


(わたしも、あんなはしたない姿をセシルに見られていたんだ……)


「アリシア王女」のベッドで激しく乱れる二人の姿を、アリーシャは何も言わず見つめ続けた。


 ーーーーー


 すべてが終わると、放心状態のセシルをベッドに放置したまま、俺はアリーシャと共に部屋から退散した。


 一部始終を見届けていたアリーシャは、最初のうちは無言で隠し通路を進んでいたが、やがてピリピリとした空気が伝わってきた。


「……人の……ベッドで……他の……人と……」


 小声で何やら呟いている。


「あの、アリーシャさん」


「何よ」


「あれは作戦の一環で……」


「分かってます、そんなこと!」


 本当に分かっているんだろうか……


 いや、あれが作戦だったことはアリーシャも百も承知のはず。


 頭では分かっていても、心では割り切れない感情が、そこにはあるのだろう。


 だが、あえてそれを指摘するのは、火に油を注ぐ結果になりそうで、俺もその後は無言のまま自室へと向かった。



 ーーーーー


 そんな二人の事を、遠く暗闇から見つめるいくつもの影があった。


「よろしいのですか?彼らをそのまま帰して」


「ああ、かまわんよ……今回の事件。皇子には良い薬になった事だろう」


 老執事は静かにそう言い、部下達に手を出す事を控えさせた。


(しかし、セドリック皇子相手に、自分の指定奴隷を奪い返しに来るとは、中々度胸のある「騎士様」だな)



 ーーーーー


 部屋に帰ってくると、ピリピリしていたアリーシャの様子が、また何か別のものに変わっていった。


 ピリピリというよりは、むしろその真逆の……


 やや顔を赤くしながら、ベッドと俺を交互にチラチラと見ている。


 アリーシャには、俺に何か言って欲しい事があるように思えた。

 すがる様な眼で、俺を見つめるアリーシャ。


 だが、今日はもう夜も遅い。

 明日に備えて、寝た方が良い。


「おやすみ、アリーシャ……」


 俺はソファで横になりながら、そうとだけ言った。


 するとアリーシャは、俺の腕をそっと掴み、


「ねえ……」


「何?」


「……『治療』を……」


 俺には、アリーシャが何を言いたいのか、だいたい察しがついた。


 けれども、帰宅途中のピリピリに対しちょっとした意趣返しをしてやりたい気分になった。


「後遺症はもう収まった、だから治療は必要ないのでは?」


 ……ムキになって言い返してくるかな?

 と、思いきや、意外にもアリーシャは少し悲しそうな表情で、


「そうね……もう、必要ない……」


 そう言って、俺を掴んでいた手を離した。


 その表情に引き寄せられるように、俺はソファから立ち上がるとアリーシャの両肩をがっしりと掴んだ。


「あ……」


 そしてそのまま強く抱きしめながら、アリーシャと唇を重ね合わせた。



 ーーーーー


 さすがにお互いにくたくたになって、寝静まった夜。

 夜明けの直前ぐらいに俺は目を覚ました。


 アリーシャがぐっすりと寝てしまっていることを確認すると、左手の薬指に付けている指輪を確認した。


 やはり、かなり高級な指輪だった。

 イエローダイヤモンドの宝石部分だけでも相当な価値になりそうだった。


 アリーシャを起こしてしまわないように気を付けながら、指輪をそっと指から外した。


 指輪には内側刻印で「A.R」のイニシャルが彫ってあった。


 俺は指輪をアリーシャに付け直し、再び眠りについた。



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