第5話 地球vs水星
「よし、もうそろそろだ....」
公園が見えた。そこにいたのは、星霊と思わしき紺色の髪の少女と長身の男。
[あいつか....テルス、少し様子を見てみる]
[了解しました]
どうやら何かを話している様子。
あっ、今こっち見たな。気づかれたか?
[多分気づかれた、公園に入る]
[気を付けて下さい!]
公園に入る。
「そこの学生、お前もマスターのようだな。気配で分かる。悪いが邪魔をさせるわけにはいかない。メルクス、奴を排除しろ」
「了解。惑星武器、装備」
紺色の長髪をたなびかせ、敵の星霊が双刃刀を装備する。よくアニメとかで「ハルバード」とか「ナギナタ」とか言われるやつだ。
思った通り戦闘になるか....
「やるぞ、テルス」「了解です」
その瞬間、テルスの体が実体になる。
「惑星武器、装備!」
テルスも敵の星霊と同様に武装。テルスの手には太刀が握られていた。
太刀、というには少し短いかもしれないがそれでも十分な迫力があった。
「行くぞ」
「こちらも」
「「決闘開始!!」」
次の瞬間、激しい金属音が鳴り響く。
俺の目には間合いを詰める様子は捉えられなかった。
「これが、星霊同士の戦争....」
下手に割り込んだりしたら、間違いなく殺される。
体験したことの無い、物凄い迫力。二つの蒼い閃光がぶつかり合う。
「ほう、小さな刀にしては力がある」
「舐められては困ります!」
武器のリーチとしては双刃刀を持った敵の精霊の方が圧倒的に強い。振り回す双刃刀の勢いをテルスはなんとかその刀で受け止めるのが精一杯と言ったところ。
「どうした、所詮その程度か」
「ぐっ....これぐらい!」
ガンッ、という重い音とともに双刃刀を弾き、すっ、と後ろに下がるテルス。
直後、テルスが大きく飛び上がった。そして敵の星霊目掛け太刀を構え、勢いよく、貫くように飛び込む。
砂埃が巻き上がる。メルクスには命中せず、いや、意図的に外した用にも思えた。
その虚をついて、目にも止まらぬ激しい連撃を繰り出す。
「はあっ!やあっ!」
短い太刀はリーチの分は不利だが、その分軽く、素早い攻撃が可能となる。
形成逆転。メルクスがテルスの太刀を受け止める側になった。
「そこですっ!」
一閃。連撃から大振りの一撃に繋げ圧倒する。
「ちっ....」メルクスの姿勢が崩れた。
その直後、テルスの距離はメルクスから大きく離れていた。目に見えぬ速さで流れるように敵を斬る。
メルクスの体から血のようなものが流れる。
「ぐっ....おのれ!油断したがこれからだっ」
その手に握られている双刃刀の二つの刃が、赤色と青色にそれぞれ光を放った。
「本気モードですか」
「我が水星の恐ろしさをその身でとくと味わうがいい」