↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖玉と巫女の物語  作者: ともるん
PR
27/53

帰還

「平気だと言ったのに」

 神殿へ馬で戻るファルサとエリクに、ヘイワードが同行していた。


「城砦に入るのを見届けたら、北の森に引き返す」

 ヘイワードは自分が一人同行するので、見張りの騎士をすべて北の森のはずれに待機させてきた。


「北の森では魔族を見かけなかった。なのに、ファルサの前には現れた」

 二人は馬を並べて話をしていた。それを少し離れた距離を保ってエリクが後を行く。

「ゴヴィだけよ」

「ゴヴィが北の森を出てまで何をしにきたんだ? ファルサまでさらわれたら」


 会話がときどきエリクにも聞こえた。

 出発前、エリクはヘイワードに確かめたいことがあった。そこで、彼はファルサが天幕に入っている時に、ヘイワードに話しかけていた。


「その、ファルサ前巫女とは親しいのか?」

 ヘイワードは顔色一つ変えずに答えた。

「気を遣わなくていいですよ。ただの幼馴染です」

「幼馴染?」

「ええ。私の家は貧乏で兄弟が多かったから、幼い時に養子に出されたんです。養父母に育てられました。それがファルサの両親です。彼女は二つ違いの姉みたいなもんです」

 いったんは納得したものの、やはりエリクは気になった。

「もしかして、それで騎士に志願したのですか?」

「……それもあるかもしれませんね。恩義を感じてますから」

 それだけだろうか。エリクはそれ以上詮索するのをやめた。


 ファルサはもう、巫女ではない。万が一、アシュリータが見つからず、新しい巫女も選ばれなかった場合、ファルサがまたその地位に着く可能性はあった。だから、今、彼女が誰かと結ばれることは望ましいことではなかった。


 昼を少しまわって、北門が見えてきた。城郭への出入りは基本的に王族以外は、神殿発行の通行証が必要だった。カインデルの国の者なら近隣の村や町の者も、村長や町長発行の通行証があれば出入りができた。


 ヘイワードが北門の兵に挨拶すると、彼は驚いた顔をした。

「そんな……」

「どうした? 伝令は来ていないのか?」

「来ましたが……あの……」


 不審に思ったヘイワードが問いただすと、彼はとんでもないことを口走った。

「ファルサ様は先ほど、エリク神官と二人で帰還されたはず」

「……!」

 三人はお互いの顔を見合わせた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。