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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

魔石を死体に入れたらどうなるのか。

作者: 補給兵


魔物の体には魔石が埋まっている。

魔石を失うと死ぬ。

では魔石を死体に入れたらどうなるのか。

生き返るかもしれない。

その仮説を示すため、ゴブリンの死体に魔石を埋め込み街からそう遠くない洞窟に放置した。

しかし一ヶ月経っても変化はなく、死体が腐敗しただけだった。

ゴブリンだったからダメだったのかもしれないし、この魔石がたまたま悪かった可能性もある。

だから他の種族でも試す必要がある。


翌日、門番に挨拶し森に入った。しばらく探索しコボルトを見つけた。三匹の群れだ。

弓で三発パッパッパッと射殺した。

二匹いれば十分か。

二匹だけ洞窟に持ち帰り、魔石を取り出し埋め込んだ。

生き返ってくれれば良いな、、

前からあるゴブリンはやはり腐敗したままで変化はない。

このまま経過を見ていこう。


一週間が経ったが少し腐敗が進んだ程度で生き返る様子はない。


生き返るなんてことは起こりえないのか。

いや、魔物だからダメなのかもしれない。人をまだ試していない。


翌日

どうすれば、街の外で人の死体が手に入るのか考えていた。街から出て森を探したがそんなもの都合よく落ちていなかった。

三時間ほど森を彷徨ったが街へ続く道は人通りが多過ぎて無理だ。そして魔物がいる森には誰も入ろうとしない。

今日は諦めて街に帰った。


次の日

俺はギルドにいた。ギルドの酒場でちびちびと酒を飲みながら待っていた。

あれは厳しい。こいつもダメだ。

そう品定めしていると、

これはいける

と思えるのが来た。

ほとんど傷がない革鎧を着た、この世界の残酷さを知らないようなキラキラした瞳の少年だ。

会計をして少年の後をつけた。

ギルドの外に少年の仲間がいた。二人の若い女だ。一人は剣士でもう一人は魔法使いらしい。

三人の冒険者は談笑をしながら街を出て森に入っていった。


森の中層まで来た。ここまでこれば十分だろう。丸太に座る三人に矢を放つ。矢は寸分違わず頭を撃ち抜いた、

現場まで行くと矢を頭から生やして死んでいた。

三人は持ち帰れないから、魔法使いの女と男を持ち帰った。

洞窟に着いた。先の被験体には変化はない。

女と男を下ろし胸をダガーで引き裂き魔石を埋め込んだ。

さてどうなる。


一か月が経った。

変化は無かった。

ダメなのか。生き返ることはないのか、、考えてみれば、魔物が生きている時は魔石が体に魔力を提供している。魔石が魔力を提供出来なくなると魔物は死ぬ。魔力を提供出来なくなった魔石を埋め込んでも生き返るはずがない。止まった心臓を死んだ人に埋め込んでいるような事なのか、、



諦めがついた。

街に帰った。


翌日

ギルドの酒場で飲んでいた。

俺は無駄な事したな。そう思って呆然と黄昏ている。

昼過ぎのギルドにはゆったりとした時間が流れている。

タバコでも吸うか。そう思って、タバコをくわえライターで火をつけた。

ライターと言っても火を出す機械に魔石を埋め込んだものだ。魔力を流せば火がつく。俺が作った。

ん?


魔力を流さなければライターはただの鉄くずに魔石が入っているだけだ。魔力流して初めて魔石が起きて魔力を機械に供給する。

もしかして魔物はただの入れ物でしかないのではないか。


タバコを灰皿でこねくり消し、すぐにギルドを出た。

洞窟に入ると、被験体には変化はない。当然だ。

男の死体に埋め込んだ魔石に触れて、魔力を流した。

すると、魔石が男の胸に沈んでいき、しっかりと固定された。

そして死んでいたはずの男が立ち上がり、ゆらゆらと洞窟から出て行った。

素晴らしい生き返ったぞ!それから女、コボルト、ゴブリンで試したがみんな生き返った。

これで肉体は入れ物に過ぎず、魔石が魂であることが証明されたのだ!




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