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サブリミナルブルーム  作者: 猫桜 なずな
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第ニ話 『チーム決め』

ふぁ~あ、眠いや……。今日は色々、あったからな~。まさか、担任の先生があんな、桜餅みたいな姿とか予想出来ないよね。


早く、お風呂入って寝たいや……。


そういや、この学園って全寮制だったよね。寮の場所は山の中にある学園から少し、離れていて。坂道を上がった所にある。確か、二人一部屋だったっけ……。ん? ……二人一部屋?うわ! 知らない人だったら気まず!


部屋の番号は確か102だったけな。う~、知らない人と話すのコワイデス。


とりあえず、深呼吸をして、ふぅ……よし! 行くぞ!


今日、配られたスマホみたいな電子生徒手帳の端末を扉の横についてるセンサー部分に当てる。


『ピ……ピピッ……』っと電子音が鳴り響いた


よし、開いた。



「失礼します~、あぁ!」



「あ!」



部屋のもう一人の主を見て安心した。


今日、色々と話してまぁまぁ、仲良くなった亜弥くんだった。


はぁ~、知ってる人で良かった~。これならまだ気が楽だ。



「まさか、星牙くんと同じだったとは! 嬉しいな」


「僕も嬉しいよ! 良かった~、知ってる子で!」



これから、よろしくね! と握手を交わしたところで、とりあえず荷物を片付ける。


部屋のベットは、二段ベットで僕たちはどっちが上で、寝るかを決めることにした。



「僕は寝癖悪くて、落ちるの嫌だから亜弥くんに上は譲るよ……」


「んー、オッケー! じゃあ、星牙くんは下ね!」


「あーい」



寝るところは決まったので、お風呂入って、あとは寝るだけの状況になった。


僕と亜弥くんは結構、夜遅くまで色んなことを話した。何が好きかとか、嫌いなものとか、そんなことを話してたら0時になっちゃてた。


そろそろ、寝よっかと言う亜弥くんの言葉で僕は布団に入り込む。



「おやすみ~、星牙くん」


「おやすみなさーい」



疲れていたのか、瞼を閉じると僕はすぐに深い眠りに落ちていった。


明日はどんな楽しいことがあるかな……。



     *



「──ッくん! ──ッくん!!」



誰かが……僕を呼んでる……?



「──ッくん! 起きて!」


「んぇ……?」


「もう、朝だよ! 起きて準備しなきゃ、遅刻しちゃう!!」


「はっ! マジで!?」



昨日、疲れてたからな~。よく、寝っちゃってたみたいだー……やべぇ……。



「ほら! 早く起きる!」


「ご、ごめん! すぐ、支度する!!」


「いや、そこまで急がなくても大丈夫だから、焦らないで」


「う、うん……」



うわぁ……、初日から迷惑かけちゃったよ……。にしても、なんか亜弥くんお母さんみたいだな~。



「今、お母さんみたいとか思った?」


「い、いや~?そんなこと思ってないよ~?」


「本当に~?」


「ほ、本当だから!」



うお。す、鋭い……。声が裏返ってしまったけど、なんとか誤魔化せた。



「準備出来たよ!」


「よし、それじゃあ、行こうか!」


「うん! 行こう行こう!」


亜弥くんのおかげで、遅刻せずに無事に教室に入れた。ありがとう、おかあさ……じゃなくて、亜弥くん。


とりあえず、自分の席に座って朝の朝礼が始まる時間まで待った。



     *



「みんな、揃ってるかも~? 揃ってるもね」



もにゅ先生がいつの間にか教卓の上にいた。この先生、ホバリングでも出来るんだろうか……。出来たら本当にカー〇ィに……。これ以上、言ったらどこかから怒られそう……。



「昨日の入学式はお疲れ様だったも! 色々と時間の予定が狂ったから、みんなの自己紹介などは本来、昨日にするべきだったもが……。今日の一時間目のLHRで、やることになったも~。だから、自己紹介考えといてね」



んー……、今ー、語尾が……。ま、まぁ……気にしないでおこう。



「きりーつ! れい! じゃ、休憩だも~」


「ふぅ~、やっぱ慣れないな~先生がアレだと……」


「まぁ、初めはみんなそうだよ。いつか慣れてくるから大丈夫!」


「そういうもん?」


「そういうもん」



笑顔で言う亜弥くんに何か闇を感じてしまった……。もにゅ教とかあるんじゃないんだろうか。コワイ。


しばらく、亜弥くんと他愛のない会話をしていたら、あっというまに、時間がきた……。キテシマッタ。みんなの初めの壁が……、自己紹介と言う大きな壁が!まったく、何も考えてなかった。やべぇよ。やべぇよ。


人って本当に第一印象が大事だからね! すっごい、大事だからね! 中学のころ「俺は漆黒の堕天使」とか言ってた奴いて、みんな距離とってたし。元気かなぁ……、堕天使田中くん……。いっつも、腕に包帯巻いてたな。怪我でもしてたのかな。




「次は河崎 聖奈玻くんの番だも!」



おっと、みんなの自己紹介聞いとかなきゃヤバい。顔と名前一致させなきゃ!



河崎(かわさき) 聖奈玻(みなは)です。よろしくお願いします」



黄緑髪で大人しそうな子だな。


というか……シンプルだぁ~、何のひねりもな~い。いや、これでいいんだよ自己紹介とか。田中も他の高校で今頃、普通に自己紹介してんのかな。


次々とみんな、自己紹介をしていった。普通だ、普通の自己紹介だ。



「次は~、純音 亜弥くんの番だも!」


「純音 亜弥で~す! 中等部のころから知ってる人は知ってると思いますけど! これから、よろしくお願いします!」



うん、なんかすごい自己紹介する子いないかな? ちょっと、期待しちゃってる僕がいる。



「次は速水 悠哉くんの番だももも!」


どんな、子だろうか。……く、黒耳うさぎのカチューシャしてる~!! この高校、服装の規則は緩いけどケモ耳カチューシャとかいいんだ!


「はーい! この学園の中で一番可愛い~、速水(はやみ) 悠哉(ゆうや)でぇ~す! 僕、以外に可愛い人なんて許さないからぁ~。まぁ、僕ぐらいに可愛い人なんていないと思うけどぉ~。

みんな、よろしくねぇ~☆」


結構、濃い人きた~!自分で可愛いと言ってる黒耳のうさ耳カチューシャで左目を髪の毛で隠してるのが印象的な男の子だった。確かに可愛いのかも?よく、分かんないけど。可愛いのだろう。うん。



「次は柊 ニアくんだも~!」



あの自己紹介のあとってなんか、キツくない?次の子はどんな自己紹介を……。



(ひいらぎ) ニアです。まぁ、よろしく」



あ、普通でしたー! 流れ戻りましたー! 良かった、あの変な流れでいくと僕もすごい自己紹介しなきゃいけないのかと思った~。


目の下にクマがあって、眠そうな顔してるなぁ……。



「次は星川 星牙くんの番だも!」



あぁぁ~、ついにきてしまった。僕の番がきてしまったぁあああ……。


えっと、普通に……普通に……。



「星川 星牙です!みなさん、これからよろしくお願いしましゅ……」



あぁ~、やってしまった~!! 噛んでしまった~! あぁん! これが一番、恥ずかしい奴だよ!? 結構、恥ずかしいよ!?笑われてそう~。うぅ~、やっちまった~。あ~。僕の第一印象ー!


「元気出して」みたいな目でこっち見ないで亜弥くん! 結構、それもクルから!!



「さて、自己紹介も終わったところだし! この学園の魔法科のチーム戦の説明をするも!」



チーム戦! パンフレット見た時に僕が、面白そうと思ったやつだ! 公式で出てる戦ってる動画も見たし!かっこよかったな~、相手の技を自分の魔法で避けたり! あんな風に僕も魔法使えるようになるのかな~?


この学園のチームのことはちゃんと、予習と言うか、調べたから大体分かってる。


沢山のチームがあって、その中でもアリアってチームはすごい、かっこよかった! チーム衣装もかっこよかった!チームにはテーマがあって、アリアは騎士って書いてあった! あ~、アリアに入りたいな~!



「中等部からの子は知ってると思うけど、チーム戦とは五人が一つのチームとして力を合わせて戦う魔法科、独特の競技みたいなものだも!チームも沢山あって、今の注目のチームは、『トロイメライ』『アリア』『コンチェルト』の三つのチームだも! 中でもトロイメライは本当に強くて、5~6年間くらいはずっと、チーム戦一位をキープしてるも! ちなみに、チームは自分では選べないから注意もよ~。じゃあ、チームの詳細が書いてあるプリント配るもね~」



え! 選べないの!? マジで!! え!?


配られたプリントには、各チームのテーマと簡潔にどんな、チームか詳細が書かれていた。



「チームはランダムで選ばれるも~、まぁ運も実力のうちってことだも」



じゃあ、アリアに入れない可能性あるの!? い、いやまだ、まだだ、僕の幸運見せてあげるよ! 友達のガチャ引いて超スーパーレアを出した僕なら!!



「じゃあ、チーム発表するから、呼ばれたら来ても~」



ん?なんだ、あのメガホンっていうか筒……あ~、あれかクイズ番組とかでよくある周りに答えが聞こえないようにするための奴か~。


紙、一個ずつ開いて見て言ってるけど、言い終わった後にその紙渡してるよね!? 普通にその紙渡した方が早くない!?



「次は星川くん~」


「あ、はい」



ヤバい、緊張してきた~! どうか、どうかアリアでありますように! 僕の運、信じてるぞ!! 今年のおみくじも大吉だったんだから!



「言うもね~、ドゥゥゥゥゥルルルルルル」



先生がセルフ効果音流してきた! 口で頑張って言ってる!? しかも、地味に長い!



「ルル……はぁ……はぁ……」



疲れてきてるじゃんか!無理しなくていいよ先生。というか、長いよくどいよ。



「ジャン!アリ」



よっしゃーーーー! 絶対、アリアだぁーーーー! ありがとう僕の運!



「あ、間違えた」



よっしゃーーーー……って……へ? え?



「星川くんはノクターンだも!」



へ、ノクターン? え? さっき、アリアって……え?



「ごめんごめん、ボケてたも」



え……? えーーーーーーーーーー? 嘘だと言ってよ! はぁーーーー!?


先生から渡された紙にはしっかりと印刷の文字でノクターンと書かれていた。


マジかよ……、ノクターンってどんなチームだっけな……?えっと……。


さっき、配られたプリントに目を通す。


ノクターン、ノクターンっと。


あった! えーっと、なになに? 万年最下位の弱小チーム……。oh……。


弱小チームって、そんな風に書かなくてもいいのになぁ。まぁ、ランダムだからそんな運よく、自分の入りたいチームになるなんて無理だよね。ゲームのガチャで、好きなキャラが出てくれないのと同じだよね。


あー……、どんな人達いるんだろう。これからは最弱チームのメンバーなのか。


漫画やアニメだったら、最弱チームがまさかの最強チームに勝利! みたいなこととか、起きるんだろうな。



「チーム戦以外にも、様々な魔法の競技があるも! 個人戦やパフォーマンスバトルなどの種類があって、玲瓏学園ではチーム戦がメインだけど、個人戦もあるも! パフォーマンスバトルは基本的には学園外の企業の人に頼まれることが多いもね。お祭りを盛り上げてくれーとか、よく言われるも。個人戦は名前の通り一対一で勝負するも! 一年生の一学期にはないけれど、二年、三年では個人戦が学期ごとにあるも! 二年と三年の個人戦は一週間後くらいにあるから、それを見て戦い方を観察することをおススメするも~!」



へ~、色々な種類があるんだな~。なるほど、個人で戦うのもあるのね。まずは先輩達の個人戦を見て、学べということか!



「あ、一年生の一学期に個人戦はないけれど、チーム戦はあるも! 五月の下旬ぐらいにね」



チーム戦はやるのか。しかも、五月か……。結構、早いな。



「まだ、説明があるも~。チームの上位の方のチームにはチーム室が与えられるも!」


「せんせ~、上位って具体的に何位くらいなんですかぁ~?」



うさ耳カチューシャの速水くんがいいこと聞いてくれた!



「十位以内のチームもね! ちなみに、一位、二位、三位のチームは四位、五位のチームに比べて、部屋が広いも! 部屋の大きさは学園の魔法で広くしたり、狭くしたり出来るんだも~。十位から十一位に落ちたらチーム室は新しく十位になったチームに与えられるも。まぁ、チームの数も多いから十位から上は中々、強者(つわもの)揃いで十位以内に入ることは大変も」



ということは勿論、万年最下位だというノクターンにはチーム室ないんだよね。どんな、ところか見てみたかったなー。



「チーム室では過去の試合記録を観たり、試合の作戦会議をしたり、後輩に色々と教えたりするも。たまにただ、くつろいでるチームもあるもが。あと、十位以内でも問題があったチームがあって四位のララバイというチームだけ、部屋が没収されてるも」



一体、何をしたんだろうか。没収って……。すごい、気になる。



「説明は以上も! まぁ、これから特別授業とかあるから、その時間に魔法の勉強とかしたりするし。多分、先輩方も色々と教えてくれるはずだから安心して欲しいも! 次の時間はチームの先輩方が集まってるところに移動して欲しいも~。チーム室があるチームはチーム室まで、その他のチームは特別に空き教室を貸してるも! 今から、場所を言うからちゃんと聞いといてね~も」



もにゅ先生が二回繰り返しながらチームの集まる場所を言っている。ノクターンは音楽室らしい。次の時間は荷物を持ったのち、自己紹介などチームの先輩方の説明を聞いたら各自、解散という形で今日の授業は終わりみたいだ。特別授業というので魔法のこと色々と教わるみたいだし、これから楽しみだな。……そういや、亜弥くんはどこのチームなんだろう。


号令したら、聞きに行こう。



キーンコーンカーンコーンと、学校定番のごく普通のチャイムが鳴った。



「きりーつ、礼! これで終わるも~。各自、指示したチームの集まる場所に行ってね~。迷子になったら、電子生徒手帳の中に地図あるから、それ見ても~。」



それはありがたい! 地図は嬉しい! 方向音痴の僕には本当に嬉しい機能だった。


あ、亜弥君にどこのチームか聞きにいこう!



「亜弥く~ん」


「あ、星牙くん!」


「亜弥くんどこのチームだった?」



これで、アリアだったら……、すごい複雑な気持ちになるや。例えるなら、自分の欲しいキャラのためにガチャ回したのに自分のところには来なくて、友達の方がその欲しいキャラ当てる感じ。



「あー……えっとね。ノクターン……」


「え? ノクターン?」


「うん、ノクターン」



亜弥くんも同じだったー! 嬉しい! もう、本当に知り合いがいるだけで本当に嬉しい!



「星牙くんは?」


「僕も同じだよ」


「え! マジで!?」


「うん!」



お互い、手を握りながら同じチームなことを喜んでいた。同じチームなら目的地も同じなので、僕たち二人はノクターンの先輩方が集まってる音楽室へと向かった。

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