魔法学院の最強最弱
朝、目が覚めれば見慣れた白い天井今のいままでなにか夢を見ていた気がするがもう、なにかはわからない。ベッドから降り、いつも通りの学校へ行くための支度を始める。着替え終わると部屋の扉を開け、リビングへと向かう。机の上には簡単な朝食と白い紙切れ。
「また、ビール買ってこい、か······。はぁ、俺未成年で本当は買えないはずなのに······この間だって、警察に事情聴取見つかって店長さんが来てくれなかったらどうなってた事か······」
そう夜刀は小さくため息をつく。
しかし、実際その店長というのも最初に俺が買いに行った時は、親がいないことを知ると少し怒りながら拒まれた。まぁ、それは当たり前で俺自身分かっていたことだが······。だが、翌日になるとスーパーの店長から電話がかかってきて学校の帰りでもいいからもう一度来てほしいと言われた。無論、電話番号などは教えた覚えはない。
学校の帰りにスーパーへと寄るとそこには、店長だけでなく店員が数人並んでいて俺が
「あ、昨日はすみません。変なこと言っちゃって迷惑でしたよね」
と普通に謝罪し、頭を下げようとした所でなぜか店長が声を震わせながらも俺に謝り出した。
「い、いえ!お客さ······や、夜刀様が謝ることは何もございません!私共が無礼を働いたことに変わりありませんので······」
「え、と?何のことですか」
本当にどうゆうことかわからなかったための質問、だったのだが
「いえ!お許し頂こうとは思っておりません!私共は大罪を犯したのです。何も言うことは······ございません」
そう言って店長は土下座まで始めてしまい、それを見た後ろにいた数人の店員達も口々に謝りながら土下座を始めだしてしまい、軽く頭の中が真っ白になってしまう程だった。
「そう、ですか。なら、私はあなた方に罰を出します」
不本意ではあったがこれでは、会話にならないと判断した夜刀は仕方なくそう切り出す。罰、という言葉に背中が震えるのが見える。
「罰は、そうですね······まず、頭をあげて立って下さい」
「え、あ···は、はい!」
そう言って店長は震えながらも立ち上がり、わずかに赤くなってしまった目をこちらへと向ける。
「後ろの方々も全員立ってください。では、······」
その一言で数人の店員も立つが顔はしたに向いたままだ。この人たちの考えてることは何となくわかるが、勿論そんな事はしない。
「私にこうなった経緯を説明して、昨日買おうとしていたものを持ってきたら業務に戻って下さい」
その一言に顔をうつむけ、絶望していた店員全員が呆けていた。全員、そこだけ時間が止まっているかのように動かなかったのでもう一度繰り返そうとした所で店員の一人の意識が戻り、途中つまずきながらも走って店の中へと入っていくのをみて、小さく安堵のため息をついた。