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境界線上
うごめいた空 歪な空気を嗅いでみた
息も詰まる 不自然な縦糸と
トロイの木馬 夜に挟まれていく
鎖とも知れない喜びの歌を
静かな澱と溜め込んだ声を叫ぶとき
烏の羽と腐りかけた果実と
飲み込んだつば 綺麗な言葉を
吐き出せば 体も溶けて塵となる
飢えている目を閉ざして潰れた喉に
麻酔を打ち込めば
瞬きの夢 手をつかみ取れば失った
酩酊とその意味を知るとして
沼底に沈む欲望の小屋で
待ち続ける番人は空をまだ知らない
嘘に塗れた体をゆがませてゆく
亡くしてる夜 埋もれた音と奇異の瞳
バラバラにされた骨はうずく
涙の行方はまだ知れず 溺れた言葉
鎖と知ったボロボロな夢を
うち貫かれた矢じりの傍で見る
ぐちゃぐちゃの魔物 道化師の海と
果てかかる空想 泳ぎ切れば空虚
失った酩酊の意味を知る
烏の羽は落ちて消えた
戻ることのない道へ行け
トロイメライと歪な入り口と砕かれた庭を
見下ろした僕はまだいないまま
繋がれている鎖の鍵
月光に照らされて踊らされてる
不安定な夢はまだ続く
生まれてきた意識はぼやけたまま
縋りついた岸辺の裏側で
道化師たちは青くなり
聞こえる声はまだ遠く響く
壊れた夜も自己の澱淀ませれば青くなる
もがき苦しんだ体は生まれ僕はここで
注射器を殺し声を紡ぐ
白い月はまた泣いていた
それでも歩き始める




