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突然放り出された空の下


 少年は、変わらない毎日を過ごしていた。

 朝目覚め、家族との朝食の時間を過ごし、学園で友達とバカをやり、帰り道には遊んだり、帰れば再び家族との団欒。

 毎日が平穏だった。いや、少年にとってはそれなりに張り合いのある日常だったのだろう。

 バイト先でムカツク先輩とやりあったり、可愛い女の子を見かけてナンパをしかけ玉砕したり。そんな思い通りに行かない世の中を生きているのだから。

 だから、その世界に不平も不満もあるわけでなく、将来だっていつかやりたいことが見つかるだろうと軽くかまえ、今を楽しく生きて、この先も続くであろう日々を夢想する。

 だけど――きっかけなんて些細なこと。

 それは、世界の理なんてまるで知らない少年にとって、ただの理不尽の一言に尽きる物事の始まり。



「あれ……?」

 学園の帰り道。気がつけば、足元に何かコロコロと転がってきた。

 黒ずんだ金色をした球体。

 それは少年の前を歩く、髪の長い女性が引っ張って歩いているトローリーケースにぶら下がっていたキーホルダーっぽいものだ。

 なにせ、ケースの取手にじゃらじゃらと、どこで手に入れたのか不明なキーホルダー(?)がぶら下がっているからすぐにわかった。

 少年はソレを拾い上げ、女性に声をかけようとした。だた単純な100%善意しかない行為。

 だが、少年はその球体と目が合ってしまった・・・・・・・・・

「!!??」

 一瞬吸い込まれるような感覚に陥る。

 それは本当に一瞬だったのか――それとも永遠にも等しい時間だったのか。少年は知る術のないこと。

 まるで、自分が自分で無いような時が過ぎ去った後、少年の意識が戻ったとき、気がつけば少年の周囲は蒼い空の中・・・・・にいた。

「!!!!!」

 再び声にならない声を上げた。

 が、それでなにがどうなるわけでもなく、重力の法則は無常にも少年を遥かに遠く見える緑の大地へと引き寄せていく。

 が――少年は更なる悲鳴を上げたくなった。

 緑の大地から蒼い空へ、重力の法則を無視して駆け上がってくる銀色の山を見たのだ。



 グオオオオオオオオオオオオヲヲヲヲヲヲ!!!!!!



 山が吼える。

 ――いや、もう現実逃避をするのは止めよう。

 あれは竜だ。

 古今東西のフィクションで扱われる伝説の生き物。少年のイメージにたがわぬ巨体と威圧感。

 その竜が少年に向かってその巨大な口を開き再び吼える――!

「くぁwせdrftgyふじこlp!」

 もう、声にならない声と、泣きたい気分でいっぱいの少年の目の前に竜の顔が近づくと――



「よく来たな! ワシの花嫁よ!」

 


 あまりにも場違いの言葉に、

 俺は男だから、ソレを言うなら花婿じゃないのか――

 などと場違いなコメントが頭に浮かぶ。



 これが少年――天宮千裕あまみやちひろと、生物における最強種である竜の中でも『覇王竜』と呼ばれるもっとも尊い竜の姫君、アルベリアとの出会いと始まり。

 そして、千裕が見知らぬ空の下での日常が幕をあけるのであった。



ピピッと電波を受信し、突発的に書きたくなってしまった。

絶対に不定期更新です。

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