表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紅炎戦記  作者: えみり
65/71

真域

クレーターの中心。


雷が落ち続ける。


巨樹が空を覆う。


その頂に立つのは――


テンペスト・グラード


「見せてやろう」


王が右手を掲げる。


雷が枝へ流れ込む。


次の瞬間。


枝一本一本が“発電体”へ変わる。


――雷樹連鎖域。


枝から枝へ、


枝から地面へ、


地面から空へ。


紫電が無限循環する。


王都中央が巨大な雷の檻になる。


グレイスが氷を張る。


だが雷は止まらない。


樹を通じて回り込む。


足元の蔦が絡みつく。


雷が内部から炸裂。


グレイスが吹き飛ぶ。


セラフィナが炎で焼き払う。


だが焼いた樹が再生する。


即時成長。


王が左手を握る。


地面が隆起。


巨大な根が波のようにうねる。


――樹海波動。


ただの突き上げではない。


“捕縛”が目的。


根が氷を避け、


炎を吸収し、


二人を囲い込む。


セラフィナが黒紅を放つ。


根を削る。


だが削った瞬間、


内部から雷が炸裂。


炎を逆流する。


「っ……!」


セラフィナの腕が焼ける。


王が踏み込む。


紫雷鎧が拡張。


雷が空中で圧縮。


――天穿雷槍。


空から一本の超高密度雷柱が落ちる。


グレイスが両手を掲げる。


透明氷盾。


直撃。


氷が削れ、


足元が沈む。


止めきれない。


王がさらに腕を振る。


巨樹の幹が変形。


槍ではない。


“鞭”。


――雷樹鞭。


超重量。


超高速。


横薙ぎ。


二人同時に吹き飛ばされる。


石造建築が粉砕。


衝撃だけで周囲の兵士が倒れる。


王は歩く。


悠然と。


「雷は破壊」


一歩。


「樹は支配」


地面から無数の蔦が伸びる。


空中の氷足場を絡め取る。


氷を内部から破壊。


雷が伝導する。


グレイスが瞬時に凍結遮断。


ギリギリで止める。


王の背後で巨樹がさらに展開。


枝が円環状に回転。


――雷樹円環陣。


空間そのものが帯電する。


酸素が焦げる。


呼吸が重い。


セラフィナの炎が不安定になる。


王が腕を広げる。


「これが王の支配領域だ」


雷が収束。


全枝から同時放電。


面ではない。


点でもない。


“網”。


逃げ場ゼロ。


グレイスが叫ぶ。


「セラフィナ!」


氷が半球状に展開。


雷網が直撃。


亀裂。


崩壊寸前。


セラフィナが黒紅を圧縮。


氷の内側から一点射出。


雷網の核を撃ち抜く。


連鎖が崩れる。


爆散。


煙。


王が初めて僅かに眉を上げる。


「防いだか」


だが王の魔力は落ちていない。


むしろ上がる。


巨樹がさらに巨大化。


空を完全に覆う。


昼なのに夜。


雷が枝を走り、


常に再生し、


常に成長する。


「削るだけでは届かん」


王が両腕を交差。


雷と樹が完全融合。


王の背後に“雷樹巨像”が形成される。


巨大な人型の樹雷。


王と同じ動きをする。


一歩踏み出すだけで大地が割れる。


二人が並ぶ。


息が荒い。


だが目は死んでいない。


王の本気。


雷の殲滅力。


樹の制圧力。


その両方を完全支配する王。


「来い」


雷樹巨像が拳を振り下ろす。


世界が砕ける。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ