三極激突
空が裂ける。
紫雷が天を覆い、
巨樹が王都中央から伸び上がる。
その頂点に立つのは――
テンペスト・グラード
雷樹天臨。
紫雷鎧がさらに肥大化し、
植物が王の背後で翼のように展開する。
王の魔力圧だけで空気が震える。
地面が沈む。
だが。
正面に立つ二人は動かない。
グレイスの氷輪が三重化する。
外周は静止の氷。
内周は超高密度回転。
中心は――透明。
セラフィナの炎は黒紅へ。
燃えない炎。
削る炎。
存在を圧縮する核。
「来い」
王が両腕を振る。
雷槍百本。
同時発射。
空間が紫に染まる。
グレイスが一歩踏み込む。
氷が空間を“停止”させる。
雷槍が空中で凍る。
セラフィナが横に滑る。
黒紅の刃が走る。
一瞬。
雷槍が塵になる。
爆風。
王が落下。
巨樹の根が大地を走る。
無数の樹槍が地中から突き上がる。
二人は同時に跳ぶ。
氷の足場生成。
炎の推進。
空中交差。
王が拳を叩き込む。
雷圧縮拳。
グレイスが受ける。
氷で包む。
だが衝撃は止められない。
骨が軋む。
後方へ弾かれる。
その隙。
王がセラフィナへ踏み込む。
紫雷の蹴り。
直撃寸前。
氷が横から差し込む。
セラフィナが黒紅を纏い回転。
炎の肘撃。
王の鎧に亀裂。
雷が暴発。
三人が同時に弾け飛ぶ。
地面が消し飛ぶ。
王都中央に巨大なクレーター。
兵士たちは遠方でただ見ているしかない。
これはもう戦争ではない。
神話だ。
王が再び立ち上がる。
雷樹が巨大化。
空を覆う枝。
枝先から雷が連鎖。
地面を焦がす。
グレイスが両手を広げる。
氷輪が融合。
巨大な透明氷円環へ。
空間ごと凍結。
雷の連鎖が止まる。
セラフィナが上空へ。
黒紅が一点収束。
「はぁぁぁッ!!」
超圧縮炎。
王へ直撃。
爆発しない。
削れる。
紫雷鎧が剥がれ落ちる。
王の肩から血が流れる。
王が笑う。
「良い」
両腕を地面へ叩きつける。
雷と樹が暴走。
雷樹天臨・最大展開。
巨大な雷樹が王を中心に回転する。
暴風。
重力歪曲。
氷が砕ける。
炎が押し戻される。
二人が後退。
圧が桁違いに上がる。
王の瞳が獣のように光る。
「これが王だ」
次の瞬間。
王が消える。
超高速。
グレイスの背後。
拳。
セラフィナが割り込む。
炎で受ける。
吹き飛ぶ。
グレイスが即座に氷槍生成。
王の腹を貫く。
だが浅い。
王が膝蹴り。
グレイスの肋骨が軋む。
三者が至近距離で殴り合う。
雷と氷と炎が交差。
空間が裂ける。
一撃ごとに地形が消える。
息が荒い。
だが誰も膝をつかない。
王の笑みが深まる。
「最高だ」
グレイスが歯を食いしばる。
「まだだ」
セラフィナが横に並ぶ。
「終わらせる」
三つの魔力が限界へ。
世界最強三人。
均衡。
次の一撃で、流れが決まる。




