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紅炎戦記  作者: えみり
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王の嗤い

西の王国。


常に紫雷が走る天空。


王城の最奥。


巨樹と雷が融合した玉座。


そこに座すのは

テンペスト・グラード


片腕は未だ完全ではない。


だが威圧は衰えていない。


「……討たれたか」


膝をつく兵が答える。


「はい。東の若き兵らの連携により」


沈黙。


雷が一度だけ強く弾ける。


怒りではない。


むしろ愉悦。


「三割出力」


低い声。


「再生機構も最低限」


「雷因子も混ぜていない」


視線が細まる。


「それを落とすか」


立ち上がる。


巨樹の内部が脈動する。


そこには、まだ“未完成の核”が眠っている。


「今回は確認だ」


「東の現戦力」


「セラフィナの出力」


「氷の小僧の成長度」


玉座の足元に雷が走る。


地面が焦げる。


「想定より、少し速いな」


わずかな笑み。


「だが誤差だ」


彼は枝に触れる。


すると幹の内部で、魔力がゆっくりと濃くなる。


一つ。


ただ一つ。


「次は――」


「より深く、より重く」


「再生ではなく“侵食”」


「数ではなく“質”」


目が光る。


「森を操るのではない」


「森そのものに“王の意志”を宿す」


空が轟く。


「まだまだ、強くできる」


不敵な笑み。


焦りはない。


怒りもない。


あるのは余裕。


東が勝利に安堵している頃。


西では次の一手が静かに育つ。


「芽は、摘むものではない」


「圧し潰すものだ」


雷鳴。


暗転。

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