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【メモリーバンク】異端者扱いされた俺が“量子の魔法”を使ったら世界が変わる――記憶もスキルも無かったけど最強になって行く。  作者: カイワレ大根
第3章

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第45話 再潜入──地下水道に蠢く影

 地下水道の入り口に立ち、リュークは息を整えた。背後には、ガルド、リーナ、ザック、そしてシャドウファングが静かに待機している。


「空気が重いな……」


 ガルドが剣を握りしめ、辺りを見回す。リーナは杖を構え、魔力を練り始めていた。ザックは黙ったまま、闇に溶け込むように歩を進める。



「行くぞ、シャドウファング。みんな、警戒してくれ」

「グルルッ!」


 リュークの合図で、一行は静かに地下水道へ足を踏み入れた。


 地下水道に入るとリュークは足元の水面を見た。波紋が揺らめき、不規則に広がっていく。


「……何か、おかしくないか?」

「確かに。水の流れが不自然だな」


 ガルドが剣を握り直す。


 リーナは壁に残る黒ずんだ爪痕に目を留め、眉をひそめた。


「こんな傷、普通の魔物がつけたものじゃない……」


 じっとりとした空気が全身にまとわりつき、リュークの背筋を冷たいものが走った。


 ◆スライムとの遭遇

 地下水道の空気は淀み、湿った悪臭が鼻を突く。足元の水面が静かに波打ち、何かが蠢く音が反響していた。


「何かいるぞ……!」


 ガルドが剣を構え、前方を指差す。リュークが目を凝らすと、ぬらりと光る青黒い影が水面に広がり、ゆっくりと蠢いていた。


「スライムか……?」


 リュークが呟いた次の瞬間、ぬかるんだ壁からボタッ、ボタッと粘液が滴り落ち、四体のスライムが姿を現した。


「5体か……面倒だな」


 ガルドが剣を肩に担ぎ直し、気だるげに言うが、目は鋭く獲物を捉えている。

 リーナは静かに詠唱を始め、ザックはすでに姿を消していた。


「シャドウファング、前へ!」

「グルルァッ!」


 リュークの合図で、黒狼――シャドウファングが水面を**バシャッ!と激しく裂き、駆け出す。


 咆哮と共に飛びかかり、鋭い爪でスライムの一体をズバッ!**と引き裂く。


 グジュゥ……ッ!


 粘液が飛び散り、ぶよぶよとした肉塊が崩れ、水の中へと溶けていった。


「よし、攻撃は通る!」


 リュークは水飛沫を浴びながらも躊躇なく前進し、短剣を逆手に握り直す。

(ただの水塊じゃない……押し込める感触を確かめろ)


 短剣を深く突き立てた瞬間、**ズグッ……!という重い手応えが腕に伝わる。


 ぐっと押し込むと、スライムの中枢が押し潰されるようにビチャッ、ドロッ……**と崩壊していく。


「粘性が高い……切り裂くより“潰す”が効くか」


 次の瞬間、背後で**ズルリ……**と音を立て、別のスライムが飛びかかる。


「リューク、下がれ!」


 ガルドの声が響き、大剣が**ズバァッ!**と空気を裂く。



 ドゴォッ!

 斬撃がスライムを直撃し、弾けた粘液と共に水面が**ズンッ!と波打つ。


 吹き飛ばされたスライムはビチャァ……**と崩れ、地に伏した。


「リーナ!」

「いくわよ!」


 リーナの詠唱と共に、杖の先から放たれた炎球が**ボフッ!**と音を立ててスライムへ突き刺さる。


 **ジュウウ……!**という焼け焦げる音と共に、蒸発した水蒸気が白く立ち昇る。


 その瞬間――視界が曇る中、ザックが影のように忍び寄る。


 シュッ――ズチャッ!


 ナイフが正確に突き刺さり、スライムは**ガクガク……ビチャッ!**と激しく痙攣しながら潰れていく。


「残り一体!」


 リュークの声と同時に、シャドウファングが獣の本能剥き出しに**ガッ!と跳躍。


 最後のスライムは触手のような粘液をズルリ……**と振り回して迎撃するが――


「グルルッ!」


 シャドウファングは素早く側面に回り込み、爪で**ズバッ――ビチャアッ!と真横から斬り裂く。


 スライムの粘体はブクブク……**と音を立てて崩壊し、水へと溶け込んだ。


「……終わったな」


 リュークは短く息を吐き、息を整え、静かに短剣を収め、辺りを見渡した。


 ガルドは剣を肩に担ぎ、リーナは額の汗を拭い、ザックは無言で短剣を拭きつつも、周囲を鋭く警戒している。


「意外と厄介だったな」


 ガルドが苦笑まじりに肩をすくめると、リュークは静かに頷き、仲間たちに目を向けた。

(……頼もしいな)


 ふと、かつての地下水道での記憶がよみがえる。

 あの時は、ただ一人。息も詰まるような孤独と恐怖に押し潰されそうだった。


 だが今は違う。

 すぐそばには、ガルドたちがいる。互いに背中を預け、支え合える仲間がいる。


 その事実が、言葉にできないほどの安堵をリュークの胸に灯していた。

(……前よりも、恐怖はずっと薄い)


 さらに、メモリーバンクを開放したことで、自身にも確かな変化があった。

 以前のようにがむしゃらに動くだけではない。


 状況を見極め、最適な選択を考え、戦いに“余裕”を持てるようになった。

(知識が……行動を支えている)


 リュークはそう実感していた。


「……しかし、シャドウファングの奴、的確な動きをするな。人の言葉でもわかってるんじゃないか?」


 ザックが冗談めかして言うと、シャドウファングは誇らしげに鼻を鳴らした。


 その仕草にリュークも思わず微笑む。

(ああ――本当に、前とは違う)


(この仲間たちとなら、きっともっと先へ進める)

 心からそう思えた。


「行こう。これは、まだ序章に過ぎない」


 リュークは迷いのない声でそう告げ、短剣を握り直して歩き出す。


 ガルドたちも何も言わずにそれに続く。

 かつての孤独と恐怖は、確かな信頼と成長へと変わっていた。


 リュークは、もう一度闇の奥へと、仲間たちと共に踏み出した。


 次回:黒の再来、解析と対峙

 予告:恐怖の正体に挑む時、過去が武器となる。


読んでいただき、本当にありがとうございます。

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もしよろしければ、「ブクマ」、「評価」や「感想」など、お気軽に残していただけると嬉しいです。


今後の執筆の大きな支えになりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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