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王との謁見

俺は城内を軽く見て回ることにした。案内人として明るい雰囲気の女性がつけられていたが、名前はレナというらしい。明るい雰囲気とは裏腹に、どこか嫌な予感がする。この違和感が何なのかは分からないが、俺は警戒することにした。


城を見て回る間も、案内人は俺の後をついてきた。断ろうとしても、「これは任務ですから」と微笑んで離れようとしない。


城内を回る間、彼女からこの世界についての説明を受けた。この世界には人間の国と、魔族や亜人で構成された魔国が存在すること。さらに、人間の国の中にも魔国と協力的な国があり、そのせいでこの国が非常に厳しい状況にあること。そして、この国ではスキルの数が絶対視されており、多ければ多いほど高く評価されるということだ。はじめの潜在能力で得られるスキルの他に、鍛錬によって新たにスキルを得ることもできるらしい。しかし、生まれ持ったスキルは特に絶対視されるらしい。


一通り城内を回った後、俺は自室に戻り、今日の出来事を整理することにした。


「スキルが一つなのは隠した方が良さそうだな。」


翌朝、部屋のドアがノックされ、案内人のレナが現れた。


「おはようございます。朝食の時間です。」


昨日は疲れていてレナの誘いを断り、夕食も取らずに寝てしまったので、腹が減っていた。レナに案内されて朝食会場に向かうと、クラスメイトたちの多くが、それぞれの案内人と和気藹々と話していた。


朝食を食べ終えると、昨日の神父が現れて言った。


「これより、王との謁見の時間です。皆さん、ご準備を。」


案内されるままに王の間へ向かうと、そこには豪華な装飾を施された部屋と、堂々とした太った王が座っていた。見た目は立派だが、どこか嫌な雰囲気を漂わせている。


王の前で、クラスメイトはスキルの数ごとに並ばされた。

左から、

三個未満の者(4人)

3~4個の者(20人)

5個以上者(6人)に並んだ。


(いつの間に皆スキルの数を調べられたんだ?)


そう考えていると神父が、水晶のようなものを持って俺の方へ近づいてきた。


「この水晶に触れてみて下さい。そうすればスキルの数が表示されるでしょう。」


嫌な予感がしたが、俺は言われるがまま水晶に手を触れた。すると、水晶には 1という文字が浮かび上がった。その数字をみて神父は軽蔑するような目を俺に向け、1番左の列に並ぶよう指示した。


王はスキルの多い者に目を輝かせ、一方でスキルが少ない者には無関心だった。


神父が説明を続ける。


「スキル数ごとにグループに分け、基礎訓練や基礎知識の説明を行います。」


スキル5個以上のグループ(Aチーム)、3~4個のグループ(Bチーム)、そしてその他の俺たちのグループ(Cチーム)。この呼び方は俺が勝手に脳内で名付けたものだ。


Aチームは騎士団長らしき教官に連れられて行き、Bチームもそれなりの騎士たちに導かれていった。


そして、俺たちCチームの前に現れたのは、明らかにやる気のない中年のおっさんだった。

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