フィルド自治領へ 3日目
フィルド自治領までかかる日数を3日から5日へ変更しました。申し訳ございません。よろしくお願いします。
俺は少し早く目覚めた。
昨日は余裕がなかったが、今日はせっかく早く起きたので自主練をする。
ギルから貰った指南書を見る。
指南書には筋トレ方法などの体づくりから、剣の振り方など基本的なことが多く書かれていた。
今は武器や相手はいないので、筋トレでもしようと思う。
「いちっ……にっ……さんっ……。」
〜〜〜
「にじゅうきゅうっ……さんじゅうっ!ハァハァ。」
今は30回ずつが限界だな。
「シドさん、おはようございます。」
ジルが挨拶をした。
「あー、おはようございます。」
「朝から勤勉ですね。私も負けてられませんね。」
そう言ってジルはトレーニングを始めた。
基本的な動きだけだったが、ジルの身体能力が俺よりも格段に高いことは明らかだ。
俺は水を飲みながら、ジルのトレーニングを見ていた。
ジルのトレーニングが終わった。
「ジルさんの職業って何なんですか?」
「一応吟遊詩人ですよ。」
「吟遊詩人ですか。どんな風に戦うんですか。」
「吟遊詩人はですねー……」
俺はジルから吟遊詩人の戦い方について聞いた。
吟遊詩人は、味方にバフをかけたり、敵にデバフをかけて仲間をサポートして戦う職業らしい。
俺は自身以外にもバフをかけれる事を聞き、昨日の戦いで魔法使いが後ろに下がっていたのは、味方にバフをかけていたもしくは、敵にデバフをかけていたのではないかと考えた。
出発後もジルから様々な話を聞いた。
その話の中でジルは興味深いことを言った。
職業というのはあくまで補助に過ぎないという事だ。
ジルがいうには、職業はレベル毎に職業スキルを習得出来るが、それ以外のスキルは自分で習得しなくてはならないと。
例えば、魔法使いであれば、レベル 1でフレイムを習得できるが、魔導書などを読めば、その他の魔法も使えるようになる。そのため、職業はあくまで補助であり、強くなるには自力でその他のスキルを習得する必要がある。
そんな話をしながら、今日の旅は何事もなく終わった。
俺は晩飯を食べ終えたので、寝ようと思ったら黒川がどこかへ歩いて行くのを目にした。
黒川はジルの所へ行っていた。
俺は悪いと思ったが、どうしても気になったので気配遮断を使いながら後を付けた。
少し開けた場所につくと、黒川は魔法を使い出した。
黒川さんも訓練しているんだな。俺は黒川さんは何でも卒なくこなすので、こうやって1人で訓練していることが意外だった。そう思い、自分の寝床に帰ろうとした。
すると……
パキッ
俺は枝を踏んでしまった。気配遮断を使用しているからと油断してしまった。
「誰かいるんですか!?」
ここで逃げるのも変なので正直に出ることにした。
「すみません、俺です。」
「シドさんですか。どうしてここに?」
「いや、レンさんがどこに行くのか気になって。」
「そうだったんですね。あまり感心しませんが……。」
「すみません……。」
「まぁいいです。それで、シドさんは今朝訓練されてましたよね。」
「あ、はい。」
見られていたんだ。
「どんな感じですか?」
「全然ですよ。キツくて少ししかできないです。」
「そうですか。」
気まずい沈黙が続く。
「えと、もしよければ明日から一緒に訓練しますか?」
どうにかこの沈黙を解消しようと、咄嗟に言ってしまった……
「そうですね。1人でできる事にも限界がありますしね。」
「そ、そうですね。じゃ、じゃあ明日からよろしくお願いします。」
「はい。今夜はもう遅いので戻りましょうか。」
そうして俺たちは馬車の方へと戻っていった。
「お、おやすみなさい。」
「はい、おやすみなさい。」
ぎこちない挨拶をしてそれぞれの寝床へ戻った。
はぁ、明日から一緒に訓練するのか。ちょっと緊張するな。どうしよう。
そう考えてながら俺は眠りについた。




