フィルド自治領へ 1日目
馬車が街を出て少し経った。
相乗り客のジルとの会話は続いていた。
「お隣の方はお連れ様ですか?」
ジルは黒川の方を向いて言った。
「私はレンです。シドさんと行動を共にしています。よろしくお願いします。」
黒川はこちらではレンと名乗るようだ。
「そうなんですね。こちらこそよろしくお願いします。ところでお二人はなぜフィルドへ?」
「職探しをしようと思って、何かおすすめはありますか?」
「そうですね……。やりたい事や特技などはありますか?」
「いえ、とりあえずは当分の生活費を稼ぎたいと思っています。まともに働いた事もないので困ってまして。」
「ならば、冒険者はいかがですか?すぐにお金を稼ぐ方法といえば、冒険者と言いますしね。」
「なるほど、詳しくお聞きしても?」
「はい!私も少し昔に冒険者をやっていまして……。」
そうしてジルから冒険者についての話を聞いた。
冒険者にはランクというものがあるようだ。
ランクには、A〜Eランクがあるらしく、そのランクが高ければ高いほど、その冒険者の力量も高いそうだ。
冒険者の仕事は、人々の困りごとを解決することらしい。
例えば、
村の近くの魔物を討伐。
この馬車の護衛のように、街から街への移動する際の護衛。
薬草の採取。
などのようなものなど様々ある。
しかし、冒険者といってもピンキリらしく、英雄と呼ばれる者もいる一方で、荒くれ者も多いらしい。
そんなこんなで話していると、日が暮れてきた。
「今日はここら辺で泊まりましょう。護衛の皆さん、周りの確認をよろしくお願いします。」
御者が言った。
そうして、焚き火を囲みご飯を食べ、寝ることになった。
皆が寝静まる中、俺は少し夜空を眺めることにした。
夜空を見上げると、月のような星が2つあったり、北極星がなかったりと、星の並びが違うことに一目で分かった。
「本当にここは異世界なんだな。これからどうしようか。」
身元不明の人が働き口を探すのも困難だろうし、当分は冒険者でもやっていくしかないのだろうか。平和な日本生まれの俺が、命をかけて金を稼ぐことなんて可能なのか。
俺は色々と不安になったが、今考えてもしょうがない。
今日はもう寝ることにした。




