【強すぎる光は周りを焦がす】
これは旅人の過去の物語の一つ。
背負った想いと咎。
あるタビビトが居た。
如何なる時も希望を信じ未来を信じて進み続け周りを引っ張り心を照らす太陽の様な人だったという。
そのタビビトの居る場所にある厄災が訪れた。大軍の魔物を率いて彼の住む街を滅ぼそうとする強大な悪魔だ。
タビビトは信じる仲間と共にその厄災に立ち向かう、作戦はこうだ。悪魔に攻め込む少数精鋭が悪魔を倒すまで町を守る人々で時間を稼ぐ。(1/5)
もちろん、旅人はその精鋭の一人だった。出発前もいつものように人々を勇気づけ、町の皆も旅人を信じて町を最後まで守り続けると、この戦いに勝つという未来への希望を抱いていた。そんな町の人達からはお守りとしてアミュレットを渡されタビビトは肌身離さず持つことにした。(2/5)
そして、悪魔へ向かった旅人達も当然苦難の連続だった。その度に率先してタビビトは周りを励まし引っ張り続けた、終わらぬ戦いへの疲弊、町が無事かへの不安、強大な悪魔への恐怖、そういった陰が訪れるたびに太陽のようなタビビトは周りを照らしていた。(3/5)
戦いは終わりました。悪魔を僕たちは倒せた…けど、生き残ったのは僕一人でした。僕を信じて仲間はみんな逝ってしまった、最後まで笑顔だった…。
町まで戻りました。そこには戦火の痕しかありませんでした。倒れる人と魔物達、生きてる人は居なかった。やはりみんな満足そうな顔をしていました。最後の一人になった兵士の遺言を見つけました【俺たちは誰も逃げなかった。タビビト、町は守り切ったぞ】っと。(4/5)
僕は気づいてしまいました。最初から逃げていれば誰も死ななかったのでは…?僕が、僕がみなを死地に送り死なせてしまったのでは。
タビビトは独り、焦げた町にてアミュレットを握る。雲一つない青空に浮かぶ太陽が彼を照らし続ける。
とある太陽のアミュレット+5のオークションの出品に呪いの物語を添えるテーマがあり、それにだされたとあるこの物語