乙女ゲー ✕ 性フェロモン
鉄の処女、血の風呂についての考察を元に、書きました。
乙女ゲーの王太子が、婚約者である上位貴族を捨て、男爵令嬢を取ることについて、性フェロモンの観点から、考察しようと思う。
先ずは性フェロモンについて、前知識を述べると、蜘蛛男の映画のファーストシーズンが、イメージしやすいと思う。
あの、主人公の遺伝子の空いている所に、蜘蛛の遺伝子が入ったシーン。
あの映画の通り、遺伝子には空きがあり、そこを埋めることのできる遺伝子を、生物は無意識に探している。
その遺伝子を取り込み、より完璧な遺伝子を持つ子孫をつくり、日々変わりゆく環境に適応して、種族を残すために。
探すために用いるのは、【嗅覚】、におい。
持っていない遺伝子は、良い匂いに感じ、
持っている遺伝子には、臭く感じる。
一番判りやすい方法は、【発情している時のにおい】だが、そんなの、簡単に手に入るわけじゃない。
次に良い方法は、【汗】。
では、王族と上位貴族、【近親婚】については、どうだろうか?
自身と似た人間、似た体臭を放つ異性を好きになれるだろうか。
男爵令嬢(下級貴族/元平民の成り上がり/平民からの養子)と比べて、どちらの方が、好ましく感じるだろうか。
そして、何故こんな事を考えているかというと、私が将来断罪される悪役令嬢だからだ。
目覚めて鏡見て名前を呼ばれてもしかしたらと思って質問をして、発覚した。
マズイ。 このままだと断罪されて、家の悪事が暴露されて没落して、私は死ぬ。
攻略相手によって断罪後の結末が違うが、どっちみち私は死ぬ。
でもなぁ、成績/容姿/領地手腕/外交手腕/政治手腕/武力/金儲け/etcのどれを頑張っても、主人公に負ける悪役令嬢はWEB小説でよく読んだし。
そうなると、私は別の方法で、王太子をものにしないといけない。
そこで思いついたのが【性フェロモン】。
しかし、【性フェロモン】についての情報を思い出したが、このままでは負ける。
だから、私がすることは、
[コンコン]
「誰だ?」
「〇〇です。 入ってもよろしいでしょうか、お父様。」
「入れ。」
「失礼いたします。」
要件を訊いてきたお父様に、お父様の悪事について、事細かく説明します。
当然、どこで情報を入手したのか訊いてきたので、神託で得たと嘘を付きます。
間髪入れずに、未来についても話します。 婚約破棄からの断罪。 御家断絶について。
お父様は一瞬、狼狽えましたが、直ぐに切り替えます。 流石は公爵家当主。
なので、切り捨てられないように、異世界の知識を披露します。
お父様、お母様の相手をせずに、愛人の相手をするのはどうしてですか?
お母様より愛人の方が、反応がいいからですか?
お父様、女は嘘が上手くて、男は嘘に気付きにくい生き物なんですのよ。
すると、プライドを傷付けられたと思ったのか、怒ってきたので、魔術で拘束します。
そして、別の魔術(神聖魔術?/治癒魔法? 聖女認定させるような魔法)で、神経を剥き出しにします。
その、剥き出しにした神経を、お父様に見えるように、針で刺します。 [ブス]
悲鳴を上げるお父様。 こちらを睨んでくるお父様。
そのお父様にもう一度、針を見せます。 当然、尖っている方を。
そして、もう一度刺します。 神経の無い所を。
刺されて暫くは、悲鳴を上げましたが、すぐに異変に気づきました。
なので、同じ事を何度かやります。 [ブス][ブス]
お父様に説明をした後、針を渡しますと、御自ら針を刺して、確認してゆきます。
お父様。 その神経の集まっている場所を、人は【性感帯】と呼ぶのですよ。 その証拠に、ほら、覚えのある場所があるでしょ。
お父様。 そんな性感帯を、なんの準備もせずに弄られて、女性は痛くないと思いですか?
ねえ、お父様。
愛人様は、何故、痛くないのでしょうね。
ふふ、気付いたようですわね。 ですのでもう一手。
お父様。 お母様を開発、
いえ、自分の思い通りにできる体に、調教しませんか?
手応えあり。
ふふ。 男なんてこんなもの。 後は、
お父様。 詳しいやり方は、私の持つ情報と、腕利きの娼婦達が持つ情報を照らし合わせてからにしませんか?
だって、私が持つ情報は、根気と時間が必要なものなのですもの。 直ぐには信用されませんわ。
そして、私の持つ情報に、信憑性があると判ったのなら、私のワガママを聞いてくださいませ。
勿論、家に迷惑がかかる事は言いませんわ。
むしろ、成功したならば、莫大な利益をもたらすものですわ。
だからお父様、お願いいたします。
私が願ったものは、①奴隷。
ただし、《嗅覚強化》と、《錬金術》or《調合》or《魔力操作》のどれかを持つ奴隷ですの。
皆様は、同じ香水でも、人によっては匂いが違う。
最悪、悪臭になることを知ってますか?
その原因が、汗に含まれる【性フェロモン】です。
【性フェロモン】は無臭ですが、それと合う匂いは、匂いを強調させ、合わないと悪臭にします。
なので、【調香師】になってもらい、私に合う匂いを作って、それを石鹸/ボディオイル/香水と合成して、使う予定です。
解りやすく言いますと、
小説や漫画で、風呂上がりの異性の匂いが、良い匂いに感じた描写があると思いますが、それを人工的に再現するのが目的です。
そして、両親専用の香りを作ってもらい、社交界に付けて行ってもらう予定ですの。
そうすれば、特別感が出て、売れるはずですわ。
奴隷の理由は、情報を外部に漏らさないためと、理性が飛んでしまった時に、襲われないようにするため。
何せ、フェロモンは、本能的な欲求を刺激するものですからね。 安全対作は必須ですの。
それともう1つ。
体臭は、変えることができます。
例えば【尿】。
糖尿病の人の尿は、激甘な臭いがします。
他にも、薔薇の香りとか、一応有名でしたわね。
あと、眉唾物の話ですが、世界三大美女の一人が、自身に合う匂いを放つ素材を丸薬とし、毎日飲んでいたとか。
なので、それも研究させるつもりです。
2つ目のワガママ。 それは、【体を鍛える】こと。
といっても、筋骨隆々に成るのではなく、筋肉質に成る、もっと言えば、【代謝が良く、常時体温が高めで、汗をかきやすい体質】に成ることが目的です。
3つ目のワガママ。 【食事を、血行が良くなるものに変えること】。
十数年後、そうした努力の結果が、
〔筋肉質で健康な肉体〕
〔(体幹のおかげで)綺麗な姿勢〕
〔良い匂いのする体臭〕
〔巨乳(無駄な脂肪)〕
それに加えて、頭脳明晰。
ふふ。 性フェロモンのおかげで、国民と子爵/男爵に加え、伯爵の殆どと、侯爵家の半分近くは、私の虜。 支持率も高い。
何度か、魅了(禁忌)スキルを所持していると調べられましたが、結果は当然ながら、白。
むしろ、教会の異性に慣れていない人達を虜にできたわ。
オマケに、お母様は年齢より若くなった美魔女。
お父様は、筋骨隆々のイケオジ。
二人の仲は、新婚当初のようにラブラブ。 に変化。
愛人とその子供(お父様の子供ではなかった)はいない。
両親ともども、自分に合う香水を付けるから、私と同じように味方を増やしている。
これで断罪はできないでしょう。
もしそんなことになったら、クーデターを起こしますもの。
さあ、明日は乙女ゲーの始まりの日。
結果はいかに?
これで駄目なら、最終手段。 【鉄の処女】
生きている時から匂いを調整して、血を被ってやる。