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都市シリーズ

最高都市に移住しませんか

作者: リィズ・ブランディシュカ



 引っ越し先の都市選びに迷っていたら、テレビにちょうどそのシーエムが流れてきた。


 幸福度が高い地域では、快適に暮らせるって聞いたけど。


 あの都市もそれなりに、快適そうね。




 

 俺達の都市は、最高だ。


 私達の都市は、最高です。


 皆幸せで、満ち足りている。


 笑顔が溢れて、ひたれるくらい。


 俺達みんな、幸せです。


 私達みんな、幸せです。


 この都市に不幸な人はいません。


 この都市に絶望している人はいません。


 弱者はみんな救済されます。


 不幸はみんな駆逐されています。


 だから安心して住む事ができます。


 子供も、お年寄りも、女性も、男性も、大人も。


 みんなみんな。


 快適に暮らせていますよ。


 だから、移住するならこの最高都市!


 最高都市に来てみませんか!?





 シーエムを見終えた私は、その都市に移住するのもアリかなと思った。


 夫がかえってきたら、相談してみよう。





 俺達の都市は、最悪だ。


 私達の都市は、最悪です。


 皆不幸で、足りないばかり。


 笑顔をなくして、いつも飢えている。


 俺達みんな、不幸だ。


 私達みんな、不幸です。


 この都市に幸せな人はいません。


 この都市に希望を持っている人はいません。


 弱者はみんな蹴落とされます。


 幸福はみんな駆逐されています。


 だから安心して住む事ができません。


 子供も、お年寄りも、女性も、男性も、大人も。


 みんなみんな。


 不快な思いで暮らせていま……。


 だか、移住するならこの最高都市以外に……て!


 最高都市……絶対にこないで!!







 とある研究所。


 洗脳装置の中には、笑顔を浮かべた人達が並んでいる。


 その人々を見つめるのは白衣を着た者達だった。


「不穏分子も使いようによっては役に立つな」


「都市PRを行う際に、自分の気持ちとは逆の事を言う様に、逆の気持ちを抱くように洗脳してやれば、迫真の演技だ」


「他の不穏分子へのいい見せしめにもなるだろう。この都市をどんどんPRして、住民をあつめ、富を搾り取るのだ」



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