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スペシャルクラフト!


スレイフ部隊で攻撃的剣技を練習し始めて、2か月くらい経ったころ。


その日も普通にスレイフ部隊で訓練してたんですけど。


訓練場にひとり、ずかずかと入ってきた人がいたのです。


「ユウナ姫! ちっとも来てくんねぇから迎えにきたよ!」


「えっ? ヴィスナさん?!」


「お。覚えててくれたのは嬉しいねぇ! ん、ってこたぁ、こっちの水色髪がリト殿かい? アタシは楯部隊長ヴィスナってんだ。よろしく頼むよ!」


「は……はぁ、よ……よろしくお願いします……?」


「おいおい、ヴィスナ。何の冗談だ?」


ヴィスナさんの乱入に、カーラさんがつかつかとやってきました。


こ、この感じは……ちょっと怒ってますね……。


「んだよカーラ。ユウナ姫はよぅ、ゲイル部隊に2ヵ月くらいいたらしいじゃないか。」


「そうだな。」


「んで、スレイフ部隊にもそろそろ2ヵ月だろ?」


「……なにが言いたい」


「だからよう、そろそろウチに来てもらえねぇかなってさ。王に直談判してきたんだわ!」


「な、なんだと?」


「許可はもらったぜ? だからユウナ姫とリト殿はもらってく。っつっても、姫。明日からだね。場所はこの裏手だからさ、よろしく頼むよ! じゃ、また明日! はっはっは!」


ヴィスナさんは、それだけ言って嵐のように去っていきました。





えぇ……?


私、行くともなんとも答えてないけどな……?


と、リトを見たら、ぽかんと口を開けていました。可愛いですね!



「くっ……何なのだアイツは! まさかそんな手を使ってくるとは……」


カーラさんは、悔しそうに呟いていました。


「ふぅ……。王命ということならいたしかたないよ。ユウナ姫、リト殿。僅かな期間で非常に残念であり名残惜しく口惜しく、心の底から悔やまれるが、世話になったよ。非常に助かった。ありがとう。楯部隊でも頑張ってくれたまえ。」


「……えっ? あ、は、はい。こちらこそ、ありがとうございました! たくさん教えてもらって、嬉しかったです!」


「お、お世話になりました。」


そうして、スレイフ部隊のみなさんにも挨拶してまわって、その日は家路につきました。


カーラさんは最後まで悔しそうな顔のままでしたね。


街で会ったら、ちゃんと挨拶しなきゃですね!


――――

――


お家に帰るとまずはやることと言えば! そう! お風呂ですね!


朝練終わりのお風呂はとっても気持ちいいんですよ!


というわけで、リトと一緒にちゃぷんとしているのですが……


「ねぇユウナ。」


「ん? なぁに?」


「楯部隊ってさ、楯だよね。」


「あー……うん。楯で守りながら攻撃する……みたいな感じだって言ってたかな?」


「あのさ、わたしたち、楯、持ってないよね。なんで呼ばれたのかな……」


「あ、そうだった。楯ないんだった。」


そうだったー。パーティーの時誘われて、楯持ってないよなーって思ってたんだった! しまった!


バシャアっと勢いよく立ち上がりました。


「リト! ブロックルさんのところ行こう!」


「……えぇっ?!」


リトはブロックルさんの圧がどうとかで相変わらず苦手みたいですが、今日はがんばってもらわないとですね!



――――

――


ブロックルさんの工房。


スレイフ部隊に移動してからは、あんまり来れてなかったんですよね。


哨戒任務が結構多かったので。


でも、その分、結構素材が貯まっているのですよ! ふふふ。


いつもの窓から中を覗いて声を掛けます。


「ブロックルさーん。こんにちはー」


「……嬢ちゃんか。」 「ユウナ様!」


「あ、ナッビさんもこんにちは!」


「……話し掛けてくるってこたぁ、依頼か?」


「あ、そうですそうです。そうなのです。」


「ふん。なら、聞こうか。ちょうど今は打ちモンもねぇしな。入ってきな。」


「はーい!」


許可が下りたので、入り口に回ります。


「リト、いいって! いこ。」


「う、うん。」


木陰で待っていたリトの手をキュッと握って中に入ります。


「おじゃましまーす!」 「お、おじゃまします……」


「おう、適当に座んな。」


「はーい!」 「は、はい。」


ブロックルさんお手製の椅子を選んで、座ります。


「んで、どうした。」


「あ、あのムクたちのお家を作ってもらってから、私たち、スレイフ部隊に行ったじゃないですか。」


「ああ。」


「で、それがですね、なんと今日。楯部隊に行くように言われたんですよ! ヴィスナさんに、王命だって。」


「ほぉん。」


「それでそれで、さっきリトとお話ししてたとき、気が付いたんですよ! 私たち楯持ってないな……って!」


「おお。」


「だからだから、急いでブロックルさんのところに来たんです! 今日は、ちゃんと素材とかいっぱいあるんですよ!」


「ほぉん。王命か……」


いつもの顔の感じでずっと話を聞いてくれていたブロックルさんが、ニヤリと笑いました。


「くかか……。ま、素材はいらねぇさ。そりゃまたこっちで何とかするからよ。」


「ええぇっ?!」


「王命……なんだろ? くかか……。」


ブロックルさんは何だか楽しそうでした。


「よっしゃ。ナッビ。」


「はい。」


「お前の異能も使っていくぞ。」


「おお、ついに、合作をしていただけるのですか?!」


「くかか……。こりゃ特殊注文だからな。おう、リト嬢よ。」


「え、は、はい。」


「お前さんも手伝ってけ。ナッビの封入をだな……」


おー、リトお手伝いするんだぁ……。すごいなぁ……。


ん?


「え、あれ? わ、私は?!」


「なんだぁ? なんかやりてぇのか?」


「えー? だってだって、私の楯だしぃ……出来ることあるならしたいなって……」


「ったく。しゃーねぇなぁ。ま、なんかあんだろ。よっしゃ! やるぞ!」


「「「おー!」」」


みんなでオリジナル楯制作開始です!



お読みいただけまして、ありがとうございました!

今回のお話はいかがでしたか?


並行連載作品がある都合上、不定期連載となっている現状です。ぜひページ左上にございますブックマーク機能をご活用ください!


また、連載のモチベーション維持向上に直結いたしますので、すぐ下にあります☆☆☆☆☆や、リアクションもお願いいたします!


ご意見ご要望もお待ちしておりますので、お気軽にご感想コメントをいただけますと幸いです!

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