新しい訓練!
前回のお話 : 完成!
ムクとロラのお家……というか、もはやハイテク城が建って、1晩あけまして。
ゲイル部隊の訓練が、みんな怪我も良くなってきたということで!
軽くだけ再開するということになり、訓練場に来たのですが……
「おお、おはよう。ユウナ姫、リト殿。」
「カーラさん? おはようございます……?」
「お……おはようございます……」
なんだかスレイフ部隊長のカーラさんがいたんですよね。
あれ? 私……訓練場間違えちゃった……?
えー……? うそぉ? やっちゃった? でも、リトもなんにも言わないし……
あってるよね?! ここだよね?!
「いやなに。先日の……」
「おい、待てカーラ。それは私から説明する。」
「あ、ヒルドルさん! おはようございます!」
キリッとしていたカーラさんの背後から、ヒルドルさんがきました。
なんだか……少しムスッとしてる?
「ユウナ殿、リト殿。先日は我らゲイル部隊を救ってくれた事、改めて礼を言う。ありがとう。」
「えっ?! いやいや、そんな……何回も」
「……えっ……あっ……」
「おかげで、軽くとはいえ、早々に訓練再開の目処も立ったのだが……」
ヒルドルさんは、なんだか悔しそうな顔をしました。
「哨戒任務はな、我らゲイル部隊と、カーラのスレイフ部隊の任務なのだ。だが、我々はしばらく出ることが難しい……。よって、ユウナ殿、リト殿。誠にすまぬが……しばらくはスレイフ部隊での訓練と任務という形で、どうか我が国を助けてもらえないだろうか?」
ヒルドルさんは、バッと頭を下げました。
「えっ……と……」
槍、まだまだヒルドルさんには及ばないけど、扱いは覚えてはきてる……かなぁ……。
スレイフ部隊かぁー。
お母さんに教えてもらった剣術とは違うんだろうなぁ……。
お母さん、ナイフは得意でも剣は使わないって言ったし……
機会があればスヴァルトで師事をって、いつも言ってたもんなぁ……
んー。いつかは行けたらいいなぁとは思ってたんだよねー。
「私は、全然いいですよ!」
「わ、わたしも……細剣……やりたいです。」
チラリとリトを見たら、なんだか目が燃えていました。
リトの武器、細剣と弓の二段変化のだもんね。
私に合わせてずっと槍の練習に付き合ってくれてたんだもんね。
いつもありがとね、リト。
「うむ。そうか。2人とも、すまない。正直我らゲイル部隊としては……」
「ヒルドル。私の話を遮っておいて、いつまでそんなことを話すんだ? この2人の実力はもう国に示された。国王自らが、協力を得られるなら、応援を頼めば良いと仰せなのだ。働けぬゲイル部隊などに取られているくらいなら、ウチに来てもらうのが筋というものだろう。」
今度はヒルドルさんのお話の途中でカーラさんが!
これ、また、ケンカみたいにならないよね?!
「くっ……! カーラ……! ふぅ……まぁいい。負傷した我らに非がある。それが事実だ。」
ヒルドルさんは、大きく息を吐くと、そう言いました。
やっぱり潔すぎる人ですね。
「うむ。分かっているではないか。さすがヒルドル。では、ユウナ姫、リト殿、行こうか。我がスレイフ部隊の訓練場へ案内しよう。」
「あ! じゃあ、ゲイル部隊のみんなに挨拶してきます!」
「あ……わ、わたしも!」
リトと2人で、ゲイル部隊のみんなのところへ走りました。
――――
――
「さぁ、ここだ。」
カーラさんに案内されて、スレイフ部隊の訓練場にやってきました。
造りとしては、パッと見た感じ……ゲイル部隊の訓練場と同じ感じですね。
広場の奥にある施設の建物も、多分宿舎と一緒になってるやつだろうし、その隣はルクの厩舎なんだろうな。
多分、軍の施設だから、みんなが使いやすいようになってるんですね!
「今日は、ひとまず訓練に慣れてもらえばいい……と、言いたいところだが、ユウナ姫。」
「はい……?」
なんだかカーラさんの目がキランと光った気がしました。
「私と手合わせしてもらおうか。」
「えぇっ!?」
「いやなに、話題のアルヴの姫の実力については我が隊でも話題でね。せっかくだから、全員に見せたいのだよ。」
「えぇ〜〜…………」
ど、どうしよ……?! な、なんだか、めちゃくちゃ期待されちゃってるのかな……?!
えぇ〜〜?! ど、どどどどうしたらいいのぉー?!
「ユウナ……大丈夫?」
言葉に詰まっていたら、リトが心配そうに覗き込んできていました。
あぁー。リトぉー。今の私の癒しー。
そのままキュッと抱きしめました。
「あ……ちょっと……」
リトはなんだか少し赤くなって照れていました。いつも通りですね! 可愛い! 私はすっかり回復です!
「わかりました! カーラさんと、模擬戦?」
「おお、やってくれるか! ありがたい。皆に新しい刺激を与えたくてね。よろしく頼む。武器は、どうする? 剣を使うかい? それとも、噂の素手の戦法を見せてくれるのかい?」
「えっとー……」
剣……は、多分勝負にならないと思うんですよねー。
かといって、槍も……多分ヒルドルさん並に強いっていうカーラさんに通じるかと言われたら無理そうだし……
「はい! 私はこれで!」
スッと拳をカーラさんに見せました。
「はっはっはっ! 噂の格闘術がついに体験出来るとは! 実に楽しみだ!」
カーラさんは笑いながら広場の真ん中辺りに歩いていきました。
そして……
「集合!」
「「「はっ!」」」
広場の方々にバラバラでいたひとたちを呼び集めました。
順々にカーラさんの前に並び立つ、スレイフ部隊のひとたち。
なんだか……ゲイル部隊の方が……揃いが早い?
「良く聞け! 今からユウナ姫と私で模擬戦を行う! しっかりと見て学べ!」
「「「はっ!」」」
ああ、ついに……始まります!
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