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残念エルフ姫ってなんですか?! そんなの聞いてませんけど…… 【神世界転生譚】ユウナと不思議な世界  作者: Resetter
二章 : 旅立ちの日までに

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27. オシャレも大事

前回のお話:ヤルンのバックを手に入れた!


 「ユウナ……ごめんね。わたし、あんまり喋れなくて……。」


 リトは、旅人さんに話し掛けられて、上手く答えられなかった事……人見知りである事を気にしていました。


 でも、人には得意不得意があると思います。


 私も、いつもリトには言法(セイズ)で助けてもらっていたりします。


 だから、お互い様というか。助け合いだと思うのです。



 ミュルク村での一年間は、助け合いで出来ていたと言っても過言ではありません。


 「んーん。大丈夫だよ! それより、お(うち)のお土産、これで良かったかなぁ?」


 「大丈夫だと思うよ? この村では採れない物だし。」


 私たちは、ヤルンのバックを手に入れましたが、ちゃんと母たちにもお土産はあるのです。


 食料品が中心なのですが……。



 確かにミュルク村には無い物ではある……あるのですが、可愛いくないのです!


 お土産というか、これでは買い出しな感じじゃないかと思うわけですよ!


 

 そんな時、ふと目についた交易品。


 「あ……リト! こっちも見ていい?」


 「別にいいけど……一週間くらいは、旅人たちは居るよ?」


 「でも、明日には無くなってるものとかあると思うから!」


 二人がカバンを交換したハウスの二軒先には、雑貨や装飾品が置いてあるハウスがあった。


 所狭しと置かれたそれらは、見ているだけでも楽しく感じられる品々だった。


 リトにしてみても、ユウナがいなかった頃には必要な品以外を見に来た事は無く、それらを目にするのは初めてだった。


 「わぁー! 首飾りだとか腕輪だとかいっぱいあるー!」


 「そうだね。わたしも知らなかった……。」


 「もー。リトは可愛いんだから、オシャレにした方がいいよー! せっかくのハーナルさんの防具も、あんまり使ってないし……。あ! これなんて、すごく似合いそう!」


 ユウナが手に取ったのは、水色の小さな宝石がメインになっている、シンプルな銀色のネックレスだった。


 「う……。確かに、防具の色合いにも合いそうだけど……。それ、どんな効果があるのかな。」


 リトは、実用主義だった。


 自らを飾り立てる事に全くといっていい程に、意味を感じていなかった。


 それは、長年の出来事の積み重ねにより作り上げられた性格だ。故に、変わる事は中々に難しい。


 しかし、旅人を目指す上に於いては、向いているともいえるだろう。


 「効果……。ん〜……私は魅了されちゃうかなぁ?」


 「えぇっ?! み……みりょ……魅了……?!」


 ユウナの発言に、リトは少し顔を赤らめた。


 この二人は、この一年というもの、ずっとこんな調子なのだ。


 ユウナは、リトを本気で可愛いと思っている。


 そして、それを事ある毎に口にする。


 すると、リトは照れる。


 それは傍から見れば、最早お家芸といえる程の定番のやり取りになっていた。


 そして、そのやり取りを見ていた旅人は、その様子を面白く感じていたようだった。


 「アッハッハッ! 面白い嬢ちゃん達だねぇ! グニパの宝飾、気に入ったのかい?」


 「うん! すごく素敵!」


 「お! 見る目があるじゃないの! でもね。これは見た目だけじゃあないのさ。ちゃんと効果はあるんだよ?」


 「「えっ?!」」


 旅人の言葉に、二人して驚きの声を上げる。


 「どんなのですか?!」


 目を丸くして問うユウナに、旅人は気分を良くしたようで、丁寧に説明を始めた。


 「ふっふっふ……。じゃ、教えてあげようかね!

 その今持ってる首飾りは、言法の威力調節が楽になる効果があるね。

 で、こっちのは、走ったりしても疲れにくくなる。

 これは、疲労回復が早くなるね。」


 「これは……?」


 ユウナが手にした指輪。


 それは、薄い金色のリングに、青翠色の宝石があしらわれたものだった。


 それはマリーカの髪と瞳の色に近いものだ。


 「お! それはすごいよ? 嘘か誠か、一度だけ身を護ってくれる、守護のリングさ。」


 「え……嘘なの?」


 「いやぁー。着けた人は居たんだが、普通に怪我はするんだよね。」


 「えぇー。」


 「その時は指輪も壊れちゃったらしいし。まぁ、正直……あんまり人気は無いかな。アッハッハッ!

 そっちの水色のお嬢ちゃんの言うようにさ、実用的なものの方が人気だねぇ。」


 「ふーん。そっか……。でも、これがいいかな。

 あと、これも。この二つください!」


 ユウナは、守護のリングと、言法の首飾りを選んだ。


 交換用の品物は、家に飾ろうかと思っていた鹿の角だ。


 「まいどあり! 交換品は、鹿の角二本かい? こりゃ立派だねぇー。飾ってよし、加工素材によし、薬にもなる優れモンだねぇ!」


 

 宝飾を手にしたユウナは、満足そうな顔をして、リトの方に向き直る。


 「リト。はい、これ。」


 ユウナは、スッとリトの首に手を回し、首飾りを着けた。


 「えっ? これ、わたしにだったの?!」


 「うん! 似合いそうだったから。やっぱり似合ってるよ! 可愛い!」


 「そ……そんな……。こんなのもらうだなんて……なんか悪いよ……。」


 「私がプレゼントしたかっただけだから気にしないで!」


 ユウナは、満面の笑みだった。


 

 対してリトは……


 「うぅ……わたしもユウナに何かあげたいけど……もう交換品が無いよ……。」


 と、非常に落ち込んだ様子だった。


 「水色の……リトちゃんだっけ?」


 「は……はい……。」


 リトは、旅人に話し掛けられ、例の如く少し驚いてしまう。


 だが、女性相手なので、幾分か表情に余裕が残っている。


 「その話、ウチで選ぶなら、取り置きしておいてあげるけど、どうする?宝飾には宝飾がいいと思うけどねぇ。」


 「あ……は……はい。じゃあ……これと、これを。」


 「まいど! じゃ、待っててあげるから、またおいでよ。」


 「は、はい。よろしくお願いします……。」


 そうして、二人はグニパのハウスを後にした。


お読みいただけまして、ありがとうございました!

今回のお話はいかがでしたか?


並行連載作品がある都合上、不定期連載となっている現状です。ぜひページ左上にございますブックマーク機能をご活用ください!


また、連載のモチベーション維持向上に直結いたしますので、すぐ下にあります☆☆☆☆☆や、リアクションもお願いいたします!


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